子育て中の皆さん、祖父母の力は借りていますか？愛情深く孫の成長を見守る祖父母の存在は、子育てにとって大きな支えとなる一方、教育方針の違いや甘やかしによる影響など、様々な疑問や不安を抱える方も多いのではないでしょうか。この記事では、世界中の研究データに基づき、祖父母の子育てへの影響を科学的に検証し、エビデンスに基づいた子育てのヒントを探っていきます。
祖父母のサポート：プラスの影響とマイナスの影響
共働き世帯の増加に伴い、祖父母の育児参加は世界的な傾向となっています。祖父母のサポートは、親の金銭的・時間的負担を軽減する大きな助けとなる一方、その影響はプラス面とマイナス面の両方があることが研究で示されています。
プラスの影響：コミュニケーション力・言語発達の促進、学力向上
祖父母と同居することで、孫のコミュニケーション能力や言語発達が促進されるという研究結果があります。また、長期間の同居は学力向上にもつながる傾向があるとされています。祖父母自身の学歴も、孫の学歴に親と同程度の影響を与えるという研究結果も注目すべき点です。祖父母と過ごす時間の増加も、孫の高校卒業率向上に関連していることがフィンランドの研究で示されています。
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マイナスの影響：肥満リスクの増加
一方で、祖父母による甘やかしは、孫の肥満リスクを高める可能性があることも指摘されています。「年寄りっ子は三文安い」ということわざにもあるように、過度な甘やかしには注意が必要です。
祖父母と保育施設：どちらが子どもの成長に最適か？
祖父母のサポートは貴重ですが、保育施設の代わりになるかというと、必ずしもそうではありません。イギリスの研究では、祖父母による育児は語彙力を高める一方、算数・数学などの能力育成には保育施設の方が効果的であることが示唆されています。保育士や幼稚園教諭といった専門家の指導は、祖父母の育児では代替できない部分もあるようです。
祖父母にとってのメリット：認知機能の向上
孫の世話をすることは、祖父母自身の認知機能向上にもつながることが韓国の研究で明らかにされています。言語能力の向上や記憶力低下の抑制といった効果が期待できるため、祖父母にとっても孫の育児参加は有益と言えるでしょう。
祖父母との協力：エビデンスに基づいた子育てのために
祖父母のサポートは子育てにとって大きな力となりますが、その影響にはプラスとマイナス両方の側面があることを理解することが重要です。祖父母との良好なコミュニケーションを図り、保育施設などの専門機関も活用しながら、エビデンスに基づいたバランスの良い子育てを目指しましょう。
中室牧子氏の新刊『科学的根拠（エビデンス）で子育て』では、これらの研究結果をさらに詳しく解説しています。ぜひ、本書を参考に、より効果的な子育てを実践してみてください。
