2025年12月21日、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、東京都千代田区にある昭和館を訪問されました。今年は戦後80年の節目にあたり、警視庁のカメラマン・石川光陽氏が戦時中に撮影した写真が展示される特別展を鑑賞されたご一家の装いは、深い追悼の念を表す「グレーのリンクコーデ」で統一されており、大きな注目を集めています。
戦後80年を締めくくる慰霊の旅の終章
両陛下は今年、戦後80年の「慰霊の旅」として硫黄島、沖縄、広島、長崎へと足を運ばれてきました。今回の昭和館ご訪問は、その締めくくりとなる重要な行事です。写真展では、戦時中の貴重な記録を前に、両陛下は「良い状態で残っていますね」「貴重な資料ですね」と感銘を受けられ、愛子さまは「訓練にはどのくらいの人数が参加されたのですか」と熱心に質問されました。鑑賞後には、戦後生まれの語り部の方々との懇談の機会も設けられ、歴史の継承と平和への願いを共有されました。
追悼と品格を兼ね備えた「グレーのリンクコーデ」
この日、天皇ご一家は色調を合わせたグレーの装いでお出ましになりました。天皇陛下はダークグレーのスーツにライトグレーのネクタイ、皇后雅子さまはグレーのセットアップにライトグレーのインナー、そして愛子さまはグレーのジャケットをお召しになり、ご一家全体で統一感のあるコーディネートを披露されました。
昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま（2025年12月21日、撮影／JMPA）
上品で落ち着いた印象を与えるグレーは、黒よりも柔らかく、重厚感の中に穏やかさを宿します。ダークグレーが持つ緊張感と引き締め効果に、親しみやすいライトグレーを組み合わせることで、追悼の思いをにじませながらも、写真展という場にふさわしい品格とバランスを生み出していました。
雅子さま、ボウタイで魅せる洗練された立体感
皇后雅子さまは、インナーのボウタイをあえてリボンのように結ばず、マフラーのように巻くことで、フェミニンさを抑えつつきちんと感を演出されていました。このボウタイのボリューム感が首元に立体的なアクセントを加え、全体のコーディネートにメリハリを与えていました。
愛子さま、着回しで表現する厳かな装い
愛子さまは、2025年11月にチャリティー上映会を鑑賞された際にもグレンチェックのジャケットをお召しになっていますが、今回はよりシンプルな柄を選ばれていました。上映会では同柄のスカートを合わせられたのに対し、今回は黒いスカートを組み合わせることで、マニッシュな印象のグレンチェックをより厳かな雰囲気に昇華させていました。また、黒いストッキングではなくベージュ系を選ばれたことで、黒のインナーとスカートが持つ重厚感を和らげ、抜け感を出す工夫が凝らされていました。
SNSでは、「愛子さまの着回しも参考になりますね」「グレー系濃淡のリンクコーデ、この場に相応しい装いです」といった好意的なコメントが多く寄せられ、ご一家の装いに対する関心の高さがうかがえます。戦後80年の慰霊の旅を締めくくる写真展で、天皇ご一家がグレーで装いを統一されたのは、平和への願いと哀悼の意を込めた深いメッセージであったのかもしれません。
