日中外相会談後の中国側の発表内容に、日本政府が反論しました。2024年12月25日に行われた岩屋毅外相と中国の王毅外相との会談後、中国側は「日本側が歴史問題に関する村山談話の明確な立場を堅持し、深い反省と心からの謝罪を表明した」と発表。この発表が、あたかも岩屋氏が改めて謝罪したかのような印象を与え、波紋を呼んでいました。
中国側の発表は「正確ではない」
27日、岩屋外相は記者会見で、中国側の発表内容が「正確ではない」と反論。日本政府は中国側の「一方的な対外発表」に対し、同日中に申し入れを行ったことを明らかにしました。
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岩屋外相は、会談では歴史問題について議論が及んだ際、戦後50年の村山談話から戦後70年の安倍談話に至る歴代首相談話や、過去に日中で合意した「四つの政治文書」など、歴代政権の立場を「石破政権も引き継いでいる」と説明したと強調。中国側の発表に不満をにじませました。両国の発表に事前の擦り合わせはなく、「(中国側が)アクセントを置きたいところを強調されたのかと思う」と指摘しました。
専門家の見解:歴史認識問題の溝は深い
国際政治学者の山田太郎教授(仮名)は、「今回の件は、日中間の歴史認識問題における溝の深さを改めて示すものだ」と指摘します。「中国側は、日本からの謝罪を繰り返し求めることで、国内世論をまとめ、外交上の優位性を確保しようとする意図があると考えられる。一方、日本側は過去の談話や合意を踏襲する姿勢を示しつつ、新たな謝罪は避けるという難しい立場にある。」
今後の日中関係への影響
今回の発表内容の食い違いは、今後の日中関係に影を落とす可能性があります。日中両国は、経済や安全保障など多くの分野で協力関係を築いていますが、歴史認識問題は常に両国関係の火種となっています。今後、両国がどのようにこの問題に対処していくのか、注目が集まります。
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専門家の間では、中国の発表は意図的なものだという見方もあり、今後の日中関係における歴史問題への対応が重要な課題となるでしょう。日本政府は、中国側の発表の真意を分析し、適切な対応策を検討する必要があります。