電気自動車（EV）市場で、中国メーカーの躍進が目覚ましい。世界中の自動車メーカーがしのぎを削る中、中国EVは圧倒的な強さを誇り、まさに無双状態。一体なぜ、ここまで中国EVは強いのか？その秘密を、EV市場の動向に詳しい自動車評論家、山田太郎氏が分かりやすく解説します。
中国EVの強さの秘密：電池戦略にあり！
中国EVの強さは、ひとえに「電池戦略」の巧みさにあると言えるでしょう。彼らが主力とするLFP（リン酸鉄リチウムイオン）電池は、コストパフォーマンスに非常に優れています。
LFP電池：安価で高性能、安全性も抜群
LFP電池の最大の特徴は、その圧倒的な低コストです。正極材に安価な鉄系素材を使用しているため、従来の三元系リチウムイオン電池（ニッケル・マンガン・コバルト）に比べて、製造コストが半分から3分の2程度に抑えられます。
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さらに、LFP電池は安全性にも優れています。三元系リチウムイオン電池は、わずかな異物混入でも発火の危険性がありますが、LFP電池は発火リスクが極めて低い。つまり、安全性向上のための製造工程におけるコストも削減できるのです。
かつてLFP電池の弱点とされていたエネルギー密度の低さも、電池セルの高密度実装技術の進歩により克服。三元系リチウムイオン電池に匹敵するスペース効率を実現しています。
なぜ日米欧はLFP電池を採用しないのか？
「なぜ日米欧の自動車メーカーはLFP電池を採用しないのか？」という疑問を持つ方もいるでしょう。実は、日本の自動車メーカーは長らくLFP電池を「古い技術」と見なし、その可能性を軽視してきたのです。
その結果、LFP電池の開発で大きく後れを取ってしまいました。現在、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーもLFP電池の開発に力を入れていますが、実用化にはまだ数年かかると言われています。
電池コストの差がクルマの価格差に直結
EVの製造コストにおいて、電池のコストは非常に大きな割合を占めます。中国メーカーはLFP電池の低コスト化によって、車体開発により多くのコストを投入できるため、高品質で価格競争力のあるEVを生産できるのです。
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一方、日米欧の自動車メーカーは高価な三元系リチウムイオン電池を使用しているため、車体開発にかけられるコストが限られます。この電池コストの差が、そのままクルマの価格差に繋がるのです。
中国EVの優位は揺るぎない？
LFP電池の低コスト、高性能、高安全性という優位性を考えると、中国EVの快進撃は当面続くでしょう。日米欧の自動車メーカーがLFP電池の開発で巻き返しを図るか、あるいは全く新しい電池技術を開発しない限り、中国EVの優位性は揺るぎないものとなるかもしれません。
まとめ：中国EVの強さは電池戦略にあり！
中国EVの強さの秘密は、LFP電池を中心とした巧みな電池戦略にありました。安価で高性能、そして安全性にも優れたLFP電池は、中国EVの価格競争力と市場における優位性を支える重要な要素となっています。今後、日米欧の自動車メーカーがどのように巻き返しを図るのか、注目が集まります。
