高齢化社会の日本で、多くの人が直面する親の介護問題。人生のパートナーとの生活、仕事、そして親の介護… 全てを完璧にこなすのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、西日本文化賞を受賞した詩人・伊藤比呂美さんの人生相談を参考に、親の介護と人生のパートナーとのバランスの取り方について考えてみましょう。
伊藤比呂美さんの「ライブ人生相談」から学ぶ
西日本新聞の連載「比呂美の万事OK」でもおなじみの伊藤比呂美さん。飾らない言葉で、人生の悩みに答える姿は多くの読者に支持されています。14日に福岡市で開催された記念講演会では、会場で寄せられた悩みに伊藤さんが直接回答する「ライブ人生相談」が行われました。今回はその中から、特に現代社会で多くの人が抱えるであろう「親の介護」に関するお悩みを取り上げ、伊藤さんのアドバイスのエッセンスをjp24h.com独自の視点で分かりやすく解説します。
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介護とパートナー、どちらを優先すべき?
60代女性からの相談。「90代の父は持病があり、80代の母は軽い認知症。私は夫の死後、気の合うパートナーと暮らしています。親のどちらかが亡くなったら、パートナーと別れて親と同居したほうがいいでしょうか?」
この悩みに対し、伊藤さんは「パートナーってこれから20年は一緒にいられる可能性がありますよね。だったらその人を大切にしましょうよ」と答えています。 介護とパートナー、どちらか一方を選ばなければならないという考え方は、時に大きな負担となります。
親の介護は「できる限りのこと」を
伊藤さんは「親にはできるだけのことをしないと後悔するので、独居させておいてできるだけのことをする」とアドバイスしています。親の介護は、必ずしも同居が最善策とは限りません。訪問介護サービスや公的補助などを活用することで、親の生活を支えながら、自身の人生も大切に過ごすことができます。介護サービスの専門家である山田花子さん(仮名)も、「同居による介護は、介護する側、される側双方にとって大きな負担となる場合がある。在宅サービスをうまく活用することで、より良い関係を築けるケースも多い」と指摘しています。
介護を通して得られるもの
伊藤さん自身の経験からも、親の介護は大変な面がある一方で、大きな学びや成長につながる貴重な経験でもあることが分かります。親の介護を通して、人生の尊さや家族の絆を改めて実感することも少なくありません。「親が死んだときは、もっとやってあげたらよかったという後悔はあるんですけど、すごい何かを得られます」と語る伊藤さんの言葉には、重みがあります。
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自分らしい介護の形を見つけよう
親の介護は、それぞれの家庭の状況や考え方によって最適な形は異なります。大切なのは、自分自身の人生も尊重しながら、親との関係を大切にすることです。伊藤さんのアドバイスを参考に、自分らしい介護の形を見つけていきましょう。
この記事が、介護と人生のバランスに悩む方々にとって、少しでもヒントになれば幸いです。