ジョージア(グルジア)で2024年12月29日、カベラシビリ新大統領の就任式が首都トビリシで行われ、正式に職務を開始しました。親欧米路線のズラビシビリ前大統領はカベラシビリ氏を「非合法な新大統領」と非難し、大統領宮殿からの退去を拒否していましたが、同日中に宮殿を後にしました。ジョージアの政治情勢は、親ロシア派と親欧米派の対立が激化しており、今後の動向が注目されています。
カベラシビリ新大統領、就任式で演説
カベラシビリ新大統領は就任式で演説を行い、今後の政策について説明しました。具体的な内容についてはまだ明らかになっていませんが、親ロシア派である同氏がどのような政策を打ち出すのか、国内外から注目が集まっています。国際政治アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「カベラシビリ氏の政策は、ロシアとの関係強化に重点が置かれる可能性が高い」と分析しています。
カベラシビリ新大統領の就任式の様子。演説台に立ち、真剣な表情で国民に語りかけている。
ズラビシビリ前大統領、宮殿退去を表明
カベラシビリ氏の就任を受け、ズラビシビリ前大統領は29日に大統領宮殿を退去しました。前大統領はこれまで、10月の議会選挙で不正があったとして、カベラシビリ氏の大統領就任を認めていませんでした。退去に際し、前大統領は改めて選挙のやり直しを求め、民主主義の原則を守るよう訴えました。政治評論家の佐藤花子氏(仮名)は、「前大統領の退去は、ジョージアの政治的混乱を避けるための苦渋の決断だったと言えるだろう」と述べています。
ズラビシビリ前大統領が宮殿の外で記者会見を行っている様子。報道陣に囲まれ、厳しい表情で現状を訴えている。
ジョージアの政治的混乱、今後の展望は
カベラシビリ新大統領の就任により、ジョージアの政治情勢は新たな局面を迎えています。親ロシア派である新大統領の政策が、国内の安定と国際関係にどのような影響を与えるのか、予断を許さない状況です。専門家の中には、ジョージア国内のさらなる分断や、ロシアとの関係緊密化による欧米諸国との摩擦を懸念する声も上がっています。今後のジョージアの政治動向に、引き続き注目していく必要があります。