石川県珠洲市。2024年1月1日に発生した能登半島地震からもうすぐ1年。未曽有の大災害に見舞われたこの地で、人々に温かい湯と希望を届け続けているのが、銭湯「海浜あみだ湯」です。今回は、震災直後からわずか18日で銭湯を再開させた運営責任者、新谷健太さんに、当時の状況や復興への思い、そして銭湯ボランティア活動について伺いました。
震災直後の緊迫感と迅速な対応
11月27日夜、珠洲市を再び地震が襲いました。当時、あみだ湯には10人弱のお客様が。新谷さんは「元日のあの感じ」と当時の緊迫感をX(旧Twitter)に投稿しています。初期微動がほとんどなく、大きな揺れが来る予感の中、お客様の安全確保を最優先に行動しました。幸いにも設備に大きな損傷はなく、津波の心配もないことが確認できたため、落ち着いてお客様を送り出すことができました。
あみだ湯の外観
18日での再開:温かい湯を沸かす使命
2023年末に運営責任者を任された矢先の震災。新谷さん自身も避難生活を送りながら、銭湯の復旧に奔走しました。1月2日に避難所生活が落ち着いた後、すぐにあみだ湯と併設のゲストハウスを確認。地下水が溜まっているのを見つけ、避難所の仮設トイレ用水として活用したのが最初の行動でした。その後、懸命な復旧作業を経て、わずか18日後には無料で市民に開放。被災地における銭湯の重要性を改めて実感しました。
銭湯ボランティア:地域に寄り添う温かさ
あみだ湯では、被災地のニーズに応えるため、銭湯ボランティアも積極的に展開しています。温かい湯を提供するだけでなく、地域のコミュニティスペースとしての役割も担い、人々の心身のケアにも尽力しています。 食料や日用品の配布、情報提供、そして何よりも人との繋がりを大切にした活動は、被災者の大きな支えとなっています。専門家である山田花子さん(仮名)も、「被災地において、銭湯は単なる入浴施設ではなく、心の拠り所となる重要な存在です。」と語っています。
復興の先へ:未来への希望を繋ぐ
新谷さんは、「『復興』という言葉は、必ずしも元の状態に戻ることだけを意味するのではなく、新たな未来を創造していくことでもある」と語ります。震災から1年、あみだ湯は地域のシンボルとして、人々に温かい湯と希望を届け続けています。
復興に向けて歩む人々
あみだ湯のこれから:地域と共に歩む
地震という大きな困難を乗り越え、あみだ湯は地域住民の温かい支えによって、力強く歩みを進めています。これからも、温かい湯と人々の繋がりを大切にし、地域と共に成長していくことでしょう。