92歳評論家、樋口恵子さんが語る「老いても輝く秘訣」:自立した人生を歩むヒント

人生100年時代。誰もが迎える老後を、どのように生き生きと過ごせるでしょうか?92歳を迎えた評論家、樋口恵子さんは、自らの経験を通して「老い」と向き合い、前向きに人生を楽しむ秘訣を明かしています。本記事では、樋口さんの著書『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』を参考に、高齢期を充実させるためのヒントを探ります。

老いの現実を受け入れ、上手に付き合う

現代社会では、高齢者の単身世帯が増加しています。かつては「寂しい」と思われていた一人暮らしも、今では当たり前の光景となり、特に同情されることもなくなりました。しかし、自立した一人暮らしにも、いずれ限界が訪れることを樋口さんは指摘します。

75歳からの後期高齢者:80代半ばを境に変化が

樋口さん自身の経験に基づくと、75歳以上の後期高齢者の中でも、80代半ばを境に体の状態が大きく変化するといいます。70代までは国際会議や旅行に積極的に参加していた樋口さんも、80歳を過ぎると徐々に体の衰えを感じるようになったそうです。

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かつては膝の怪我を抱えながらも、講演活動などで精力的に活動していた樋口さん。しかし、地元の友人たちとの集まりで、多くの友人が体の不調を訴えているのを目の当たりにし、「みんなヨタヘロ期に入ったんだ」と実感したといいます。高齢化社会における「老い」の現実を、樋口さんは率直に語ります。

老後を前向きに生きるための2つのポイント

樋口さんは、最期まで前向きに生きるために大切なのは、以下の2点だと述べています。

1. 老いゆく自分を客観的に見つめ、受け入れる

加齢による身体の変化は避けられません。しかし、その変化を冷静に受け止め、現状に合わせた生活スタイルを模索することが大切です。

2. 視野を広げ、社会との繋がりを保つ

自身の置かれている状況だけでなく、社会全体の動向にも目を向けることで、新たな発見や刺激が得られます。社会との繋がりを維持することで、孤立を防ぎ、心豊かな生活を送ることに繋がります。

樋口さんの実践例:日常生活における工夫

樋口さん自身も、日常生活の中で様々な工夫を凝らし、快適な生活を送っています。例えば、50歳の頃に負った膝の怪我の影響を軽減するために、外出時にはサポーターを着用しています。

高齢者専門の栄養士、佐藤恵美先生(仮名)は、「高齢期における適切な栄養摂取と運動習慣は、健康寿命の延伸に大きく貢献します。樋口さんのように、自身の身体の状態を理解し、適切な対策を講じることは非常に重要です」と述べています。

まとめ:自分らしい老後をデザインするために

樋口さんの言葉は、加齢に不安を抱える私たちに、前向きに生きる勇気を与えてくれます。老いは誰にでも訪れる自然なプロセスです。老いの現実を理解し、上手に付き合うことで、自分らしい充実した老後を過ごすことができるでしょう。