小野まつり花火大会、シャトルバス廃止へ – 混雑緩和と安全確保策

兵庫県小野市は、夏の風物詩「第48回小野まつり・おの恋おどり」の花火大会が開催される8月16日、会場周辺でのシャトルバス運行を廃止すると発表しました。これは、雑踏事故の防止と周辺道路の渋滞緩和を目的としたもので、来場者には公共交通機関の利用を強く呼びかけています。

シャトルバス廃止の背景と新たな交通手段

シャトルバスの廃止により、臨時駐車場から会場までは約2キロメートルを徒歩で移動することになります。市は、これまでのバス発着場であったJA小野営農生活センター方面の道路を利用して見物客を適切に誘導し、花火の正面にあたる「きらら通り」への来場者集中を防ぐ計画です。また、公共交通機関の利用を促すため、神戸電鉄は混雑が予想される時間帯において、小野駅を発着する電車の両数を通常より増やして運行に協力する方針です。

熱気に包まれる「おの恋おどり」の様子、小野まつりの盛り上がりを示す熱気に包まれる「おの恋おどり」の様子、小野まつりの盛り上がりを示す

増大する祭りの費用と来場者抑制策

市は、8月17日まで開催される祭り全体で16万人の来場者を予測しており、特に花火大会のある16日には昨年並みの約11万人が訪れると見込んでいます。祭りの総費用は約1億5000万円に膨らみ、このうち共催者である小野市が負担する費用は7800万円に上る見通しです。警備費の増大なども費用増加の大きな要因となっています。

この費用増大と安全確保の課題に対応するため、市は今年春の「おの桜づつみ回廊」での対策に続き、小野まつりでも来場者抑制に着手しました。具体的には、「おの恋おどり」の参加料を大幅に値上げするなどの措置を講じています。

小野まつり花火大会で混雑する会場の様子、来場者の安全確保が課題小野まつり花火大会で混雑する会場の様子、来場者の安全確保が課題

祭りの価値と公費支出の課題

小野市の蓬莱務市長は、今回の措置について「祭りには金額に換算できない無形の価値がある一方で、自治体からの多額の公費支出が適切なのか、そのあり方が問われている」とコメントしています。市は、市民に愛される祭りの継続と、安全確保、そして財政負担のバランスをどのようにとるべきかという課題に直面しています。

まとめ

「小野まつり」の花火大会におけるシャトルバス廃止は、来場者の安全確保と交通混雑の緩和を目指した市の重要な判断です。これにより、来場者は公共交通機関の利用や徒歩での移動が求められますが、神戸電鉄の増便など協力体制も整えられています。また、祭りの運営費増大に伴う来場者抑制策も導入され、伝統的な祭りの持続可能性と公費支出のあり方が改めて問われる形となりました。

参考資料