藤井風紅白NY生中継の舞台裏:その驚愕のコストとNHKの思惑

紅白歌合戦の風物詩とも言える、豪華な演出の数々。2024年の大晦日、ひときわ視聴者の目を釘付けにしたのは、ニューヨークからの中継でパフォーマンスを披露した藤井風さん(27)の姿でした。マンハッタンの美しい朝焼けを背景に、まるで映画のワンシーンのような演出は、多くの感動を呼びました。しかし、その舞台裏には、驚くべきコストとNHKの戦略が隠されていたのです。

夢のような演出の裏に隠された巨額の制作費

ニューヨークの朝焼けを背景に歌う藤井風ニューヨークの朝焼けを背景に歌う藤井風

円安や物価高騰の影響で、多くのメディアが海外ロケを控える中、NHKがニューヨークからの中継を決行したことは、大きな注目を集めました。ロング・アイランド・シティにあるスタジオとその周辺を3日間貸し切り、現地クルーの人件費なども含めると、制作コストは500万円以上と推定されています。

現地エキストラへの高額ギャラ

藤井風のパフォーマンスを見守るニューヨーカーたち藤井風のパフォーマンスを見守るニューヨーカーたち

藤井さんのパフォーマンスには、自転車に乗る人やベンチでくつろぐ老夫婦など、多くのニューヨーカーが登場しました。実は、彼らは現地で募集されたエキストラで、そのギャラは1人あたり3日間で900ドル(約14万円)。30人が参加したため、エキストラ費用だけで420万円以上かかった計算になります。これは、通常の映画やドラマのエキストラ費用をはるかに上回る金額です。

若者のグローバル化を推進するNHKの戦略

NHKがここまで巨額の費用を投じた背景には、若者のグローバル化を推進する政府の動きに呼応する狙いがあるとされています。藤井さんの北米公演や英語曲アルバム制作を追ったドキュメンタリー番組「藤井風~登れ、世界へ~」は、NHKワールドJAPANでも放送され、大きな反響を呼びました。紅白歌合戦でのニューヨーク中継は、この流れをさらに加速させるための戦略的な一手と言えるでしょう。

受信料問題と揺れるNHKの未来

一方で、NHKは海外事業の縮小を進めており、動画配信サービス「Jme」への移行を進めています。しかし、Jmeの月額料金は他社のサービスに比べて高額で、普及に苦戦しているとの指摘もあります。巨額の制作費をかけたニューヨーク中継は、視聴者にどのような印象を与えたのでしょうか。受信料問題を抱えるNHKの未来は、依然として不透明なままです。