鳥取連続不審死事件:上田美由紀死刑囚の知られざる素顔

上田美由紀死刑囚。2023年に広島拘置所でその生涯を閉じた彼女の名前は、「鳥取連続不審死事件」という暗い影とともに人々の記憶に刻まれています。2件の強盗殺人罪で死刑判決を受けた彼女は、刑務所の中でどのような日々を送っていたのでしょうか?本記事では、ノンフィクションライター高木瑞穂氏の新刊『殺人の追憶』(鉄人社)を参考に、謎に包まれた彼女の素顔に迫ります。

死刑判決直前の揺れる心境

2017年6月、松江刑務所。アクリル板越しに座る小柄な女性、上田美由紀死刑囚(当時43歳)は、静かに語り始めました。「私は、強い女ではないので…」と前置きし、判決を目前に控えた不安な心境を吐露しました。「無の状態というか、判決日が思ったより早かったので、パニックになりました。正直、自分の気持ちをどう表現したらいいのか分からないんです」

上田美由紀死刑囚の自宅上田美由紀死刑囚の自宅

高木氏は、最高裁判決の約2ヶ月前から上田死刑囚との面会を重ねていました。事件について尋ねても、「…考えていません」と繰り返すのみ。その言葉の裏に隠された真意とは?

6人の不審死…事件の真相

2009年、上田死刑囚と同棲中の男性が詐欺容疑で逮捕されたことをきっかけに、彼女を取り巻く不可解な死が次々と明らかになりました。判明しているだけで6人もの男性が不審な死を遂げていたのです。

2004年には新聞記者、2007年には警備員、2008年には警察官、2009年にはアパートの住人…いずれも自殺や事故死、病死として処理されましたが、上田死刑囚との関連性は疑わざるを得ません。

そして、上田死刑囚が強盗殺人罪で起訴されたのは、2009年に相次いで起きた2人の男性の水死事件でした。トラック運転手の矢部和実さん、電気工事業の圓山秀樹さん。2人とも上田死刑囚と接点があり、睡眠導入剤を飲まされて水死させられたとされています。

無罪を主張する上田死刑囚と揺るがない判決

上田死刑囚は一貫して無罪を主張していましたが、2012年、鳥取地裁は死刑判決を下しました。控訴、上告も棄却され、2017年7月、死刑が確定。彼女は事件について多くを語ることなく、静かに刑務所での生活を送ることになります。

謎の支援者の存在

獄中の上田死刑囚を支えていたのは、一体誰だったのでしょうか?事件の真相、そして彼女の心の内は、未だ多くの謎に包まれています。

次回、後編では、上田死刑囚の人生を大きく変えた「ある男」の存在、そして刑務所内での彼女の意外な趣味について明らかにしていきます。

まとめ:鳥取連続不審死事件の闇

上田美由紀死刑囚を取り巻く数々の謎。事件の真相は、闇の中へと消えていくのでしょうか。今後の情報に注目が集まります。