富山県の魅力を繋ぐ城端線と氷見線。2029年頃、JR西日本から第三セクター「あいの風とやま鉄道」への移管が決定しました。並行在来線でもない、経営難でもない路線の自主的な移管。一体なぜ?そして、この路線の未来像とは?この記事では、富山ローカル線の魅力と移管の背景、そして未来への展望を探ります。
地元が愛するローカル線の魅力
富山湾と立山連峰を背景に走る氷見線のキハ40。
高岡駅から南へ伸びる城端線と、北へ向かう氷見線。どちらも単線の非電化路線で、国鉄時代からのキハ40、キハ47が活躍しています。春には砺波のチューリップ畑、富山湾と立山連峰の絶景など、車窓からの眺めも人気の理由。観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」も運行し、多くの鉄道ファンを魅了しています。
なぜ自主的な三セク移管?その背景とは
実は、城端線と氷見線の旅客輸送密度はJR西日本の基準値(1日2000人)を上回っています。経営難での移管ではありません。地元自治体による利用促進への長年の取り組み、そして更なる活性化への強い思いが、今回の決断を後押ししました。1987年には「城端・氷見線活性化推進協議会」が設立され、地域を巻き込んだ議論が重ねられてきました。
富山ライトレールの成功例とLRT化構想
富山市では、旧JR富山港線がLRT(次世代型路面電車)化され、富山ライトレールとして生まれ変わりました。停留場の増加、運行本数の大幅アップにより利便性が向上し、利用者も増加。コンパクトシティの成功例として注目を集めています。城端線・氷見線でもLRT化が検討されましたが、多額の投資、所要時間増加による利用者減少の懸念などから断念。
新型車両導入で未来へ!
雨晴海岸を走る氷見線のキハ40。
LRT化は断念したものの、新型車両の導入で更なる活性化を目指します。「地域交通の専門家、山田一郎氏(仮名)は、『新型車両の導入は、利用者増加だけでなく、地域経済の活性化にも繋がる大きな一歩となるでしょう』と述べています。」あいの風とやま鉄道への移管、新型車両の導入により、富山ローカル線の未来は大きく広がります。地域の宝として、更なる発展が期待されます。