現代日本の大きな社会問題の一つ、少子高齢化。合計特殊出生率の低下は、将来への不安を掻き立てます。そんな中、あえて「産みたくない」と考える女性たちの声に耳を傾けてみませんか?30代ライターの月岡ツキ氏は、自らの葛藤を通して、現代社会の生き方を問います。今回は、人気アニメ『進撃の巨人』最終回をきっかけに彼女が感じたことを紐解いていきます。
親子の継承、そして私
映画やドラマで、感情移入していたキャラクターに子供が生まれると、ふと距離を感じてしまうことはありませんか?「あ、そっちに行くのね」と、心の中に一枚薄い膜が張られるような感覚。親子愛や子育てを通しての成長、親から子への継承…これらは物語の定番テーマです。「特別な力を受け継いだ主人公」なんて設定もよく見かけますよね。
セーラームーンの変身シーン
『美少女戦士セーラームーン』、『ジョジョの奇妙な冒険』、そして『進撃の巨人』。これらの名作にも「親子の継承」という側面があります。こうした物語に感動しながらも、子孫を残さず、何も継承しないであろう自分の人生に、一抹の寂しさを感じてしまうのです。
物語における「継承」の意義
物語において、親子の関係を描くことは、共感を呼びやすく、世界観を広げる効果的な手法です。主人公の子供が次の主人公になることで、シリーズが続くこともあります。「続いていく人間の営み」を描き、私たちはそこに感動を見出すのでしょう。
しかし、子供を持つ気がない人にとっては、どうでしょうか?感動しつつも、どこか居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。私自身、『進撃の巨人』の最終回を見た後、「子孫を残すべきなのか?」と自問自答した時期がありました。
「産みたくない」という選択
「産む気もないのに生理かよ!」の著者である月岡ツキ氏もまた、「産みたくない」当事者です。彼女は、社会通念や周囲の期待と、自身の気持ちの間で揺れ動いている女性の一人と言えるでしょう。
ライター月岡ツキ氏
少子化が叫ばれる現代において、「産みたくない」という選択は、時に批判の対象となることもあります。しかし、個人の人生設計や価値観は尊重されるべきです。人生の価値は、子供を産むか産まないかだけで決まるものではありません。
私たちは何を「継承」していくのか?
「継承」とは、必ずしも血縁によってのみ成り立つものではありません。知識、技術、文化、思想…私たちは様々なものを、様々な形で「継承」していくことができます。
例えば、月岡氏のように、自身の経験や考えを文章という形で発信することは、一種の「継承」と言えるでしょう。それは、少子化社会における新たな生き方、ひいては未来への希望を示唆しているのかもしれません。
本稿では、『進撃の巨人』をきっかけに、少子化社会における「継承」のあり方について考えてみました。 皆さんは、何を「継承」していきたいですか?