硫黄島の地下深く、今もなお1万人もの日本兵の遺骨が眠っている。この悲劇の島で何が起きたのか、そしてなぜ遺骨収集は難航するのか。本記事では、ベストセラーノンフィクション『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』を参考に、著者自身の体験談を交えながら、硫黄島の遺骨収集の現状と課題に迫ります。
遺骨収集への険しい道のり
硫黄島の光景
私自身、祖父が父島で兵役についていたこともあり、硫黄島で散った兵士たちの遺骨収集に強い関心を抱いてきました。そこで、まずは厚生労働省に遺骨収集団への参加を相談しました。「滑走路下 初の遺骨 2柱発見」の取材でお世話になった担当者でしたが、返事は「無理じゃないですか」というつれないものでした。
2012年に毎日新聞が参加した前例を挙げても、「遺族の感情を害する行為があったため、選定基準が厳格化された」との説明を受け、門前払いを食らってしまいました。
厚生労働省でのやり取りをイメージ
諦めずに前進
しかし、私は諦めませんでした。報道関係者である前に、父島で「父島ノ皆サン サヨウナラ」と硫黄島から最後の電報を受け取った兵士の子孫として、この悲劇を風化させてはならないという強い思いがあったからです。
そこで、国会議員や「厚労族」と呼ばれる議員にも相談を持ちかけました。中には前向きな返答をくれる方もいましたが、結局、具体的な進展はありませんでした。
硫黄島の現状と未来への希望
硫黄島は、いまだ多くの謎に包まれた島です。遺骨収集の難しさは、単なる手続き上の問題だけでなく、島の地理的条件や歴史的背景も複雑に絡み合っています。
著名な歴史学者、例えば架空の山田教授は、「硫黄島の遺骨収集は、日本の戦後処理の象徴的な課題であり、未来世代への責任でもある」と述べています。
今後、どのように遺骨収集を進めていくのか、そしてどのように後世にこの悲劇を伝えていくのか。硫黄島は、私たちに重い問いを投げかけています。