韓国・務安国際空港で起きた済州航空の旅客機事故は、多くの尊い命を奪いました。その中で、飼い主一家全員を失い、たった一匹残された愛犬プリンの物語が、韓国の人々の心を深く揺さぶっています。この記事では、プリンがソウル市庁前に設けられた合同焼香所を訪れた様子、そしてプリンの今後の保護についてお伝えします。
飼い主一家を待ち続けたプリン
2024年1月5日、青い服を着せられたプリンは、仮の保護者に抱えられながら、ソウル市庁前に設けられた合同焼香所を訪れました。焼香台に並べられた遺影を静かに見つめるプリンの姿は、まるで家族を偲んでいるかのようでした。時折、頭を垂れる仕草を見せるプリンの姿に、多くの弔問客が涙を流したといいます。
プリンの飼い主は80歳の誕生日を記念し、家族9人でタイのバンコクへ旅行に出かけていました。しかし、この旅行が悲劇へと変わってしまうとは、誰も想像していなかったでしょう。帰りの便となった済州航空機が務安国際空港で墜落し、プリンの飼い主一家9人全員が帰らぬ人となりました。
ソウル市庁前に設けられた旅客機事故犠牲者合同焼香所に連れてこられたプリン
動物愛護団体「ケア」による保護
事故後、プリンは村をさまよっていました。家族を失い、途方に暮れるプリンの姿を心配した住民からの連絡を受け、動物愛護団体「ケア」がプリンを保護しました。「ケア」によると、保護された当時、プリンは村の会館前で静かに座り込み、まるで家族の帰りを待ち続けているかのようだったといいます。あまりにも痛ましい状況に、「ケア」はプリンの安全を考慮し、保護することを決定しました。
プリンの今後
現在、「ケア」は遺族と連絡を取り合い、プリンの今後の保護について話し合っているとのことです。適切な保護者が見つかるまで、「ケア」がプリンの面倒を見る予定です。韓国の著名な獣医師、パク・ソジュン氏(仮名)は、「ペットは家族の一員です。プリンが一日も早く新しい家族のもとで、穏やかな生活を送れるよう願っています」とコメントしています。
済州航空事故の悲劇とプリンの未来
済州航空機事故は、多くの家族に深い悲しみをもたらしました。その中で、たった一匹残されたプリンの物語は、多くの人々の心を打ち、動物愛護の重要性を改めて認識させるきっかけとなりました。プリンが新しい家族のもとで幸せに暮らせるよう、そして二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、心から祈るばかりです。