フジテレビが直面する財政難と番組打ち切り:中居正広報道が引き起こしたCM撤退の波紋

現在のフジテレビは深刻な財政難に直面しており、その背景には昨年12月以降に報じられた中居正広さん(53)に関する一連の報道が大きく影響しています。この報道を受けて多くのCMスポンサー企業が撤退し、結果として番組制作の現場は従来の予算感覚では立ち行かなくなっていると関係者は語ります。CM取引社数は回復傾向にあるものの、厳しい状況は依然として続いています。

巨額赤字と『サン!シャイン』打ち切りの衝撃

今年5月にフジ・メディア・ホールディングスが発表した2025年3月期決算では、フジテレビが328億円の純利益赤字を計上しました。11月25日には、11月のCM取引社数が前年比約86%まで回復したと発表されましたが、この経営の苦境を象徴する出来事として、12月には朝の情報番組『サン!シャイン』が2026年3月末で“打ち切り”となるニュースが報じられました。今年3月31日に始まったばかりの同番組は、わずか1年でその歴史に幕を閉じることになります。

番組終了の主な要因は、深刻な視聴率の低迷です。初回こそ世帯視聴率4.0%を記録したものの、その後は2〜3%台で推移し、低空飛行が続きました。報道番組が1年という短期間で終了するのは極めて異例であり、「早急な立て直しが必要」との判断が下されたものとみられています。メインキャスターに谷原章介さん(53)、スペシャルキャスターに武田鉄矢さん(76)やカズレーザーさん(41)といった豪華な布陣を組んでいたにもかかわらず、高額な出演料が1日あたり100万円単位で発生するため、採算が取れない状況に陥ったとフジテレビ関係者は明かしています。

2025年8月下旬に目撃された中居正広氏の近影2025年8月下旬に目撃された中居正広氏の近影

番組延長と制作費削減の波

『サン!シャイン』の後続番組は現状予定されておらず、前後の番組である『めざましテレビ』と『ノンストップ!』の放送時間を延長する方向で調整が進められています。『めざましテレビ』を1時間延長し、『ノンストップ!』を1時間前倒しすることで、空いた放送枠を埋める計画です。この対応に対し、社内からは「いつかフジテレビは朝から晩まで『めざまし』になってしまう」と自嘲する声も上がっているほどです。

現在のフジテレビには、新たな番組を制作する経済的な体力が不足しています。報道、情報、ドラマ、バラエティといったすべての部門で番組制作費の削減が厳しく求められており、2026年春以降にはさらなる大幅な制作費カットが予定されているため、厳しい状況は今後も続く見込みです。

外部スタッフの「事実上のリストラ」

さらに、2026年には「人員削減」が計画されていると、前述のフジテレビ関係者は明らかにしています。2026年3月頃には、多くの外部スタッフとの契約が延長されない方向で動いており、現場ではこれを「事実上のリストラ」と受け止めているとのことです。フジテレビは不動産収入などもあり、企業として潰れることはないとみられていますが、本業での予算削減の際には、やはり制作会社などの外部人材がその対象となりがちです。番組の質を維持するためには外部スタッフの存在は不可欠であるものの、現在のフジテレビにはそこまで手が回らない状況であり、この雇い止めは予算バランスを取るための“苦肉の策”だと言えるでしょう。

制作費の削減や外部スタッフの雇い止めについてフジテレビに取材したところ、「改編や制作の詳細についてはお答えしておりません」との回答がありました。かつての輝きを取り戻す日は来るのでしょうか。

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