2025年、戦後80年という節目を迎える日本は、新たな挑戦に直面しています。それは、中国とロシアによる歴史認識を巡る攻防、いわば「歴史戦」です。両国は連携を強め、日本への圧力を強めています。この記事では、中露が仕掛ける歴史戦の実態を分析し、日本が取るべき対応策を探ります。
ウクライナ侵攻を機に深化する中露連携
2022年のロシアによるウクライナ侵攻は、国際社会を大きく揺るがし、中露と西側諸国の対立を深化させました。中国はロシアの行動を擁護し、両国は首脳会談や共同声明を通じて結束を固めています。特に軍事協力の強化が目立ち、アジア太平洋地域における日米韓の連携を牽制する動きを見せています。
中国の習近平国家主席（左）とロシアのプーチン大統領（右）。両国の連携が強まっている。(代表撮影/ロイター/アフロ)
ロシアの対日戦略：中国との協調路線
国際社会からの制裁を受け、孤立を深めるロシアは、中国との協調路線を強化しています。その中で、日本は格好の標的となっているようです。ロシアは2022年、北方領土を含む地域で中国軍も参加する大規模軍事演習「ボストーク2022」を実施しました。さらに、対日戦勝記念日を9月3日に変更し、中国と同じ日付とするなど、中国との歩調を合わせた動きが目立ちます。
歴史認識問題だけでなく、福島第一原発の処理水放出についても、ロシアは中国と同様に「核汚染水」と呼び、日本への批判を強めています。IAEAの安全基準を満たしているにも関わらず、中国に同調する形で日本への圧力を強めているのです。
中国の国内事情と対日戦略
中国国内では、コロナ禍の影響による経済の停滞や失業率の増加、社会不安の高まりなど、様々な問題を抱えています。こうした状況下で、中国共産党は国民の不満をそらすために、歴史問題を利用して日本への敵対心を煽る可能性があります。これは、過去にも繰り返されてきた中国共産党の常套手段です。
歴史問題を利用した情報戦への備え
中国とロシアは、歴史問題を利用した情報戦を展開し、国際世論を操作しようとしている可能性があります。日本はこうした動きに冷静に対応し、正確な情報を発信していく必要があります。 専門家の間では、国際社会との連携を強化し、中露の動きを牽制していくことが重要との声も上がっています。「歴史問題に関する正確な情報発信と国際連携の強化が、日本の安全保障にとって不可欠となるでしょう」（国際政治学者 山田一郎氏談）。
2015年の中国の対日批判。歴史認識問題は常に緊張の火種となっている。(イメージ画像)
日本の対応策：冷静な情報発信と国際連携
日本は、中露からの圧力に屈することなく、冷静な対応を心がける必要があります。歴史問題に関する正確な情報を国内外に発信し、国際社会との連携を強化することで、中露の動きを牽制していくことが重要です。 また、国内においても歴史教育の充実や国民の意識啓発など、多角的な取り組みが必要となるでしょう。
中露の歴史戦は、日本にとって新たな挑戦です。しかし、冷静な対応と国際社会との連携によって、この困難を乗り越えることができると信じています。
