NISAとは、安定的な資産形成を支援するために開始された少額投資非課税制度です。2024年1月からは、非課税保有期間の無期限化や年間の投資枠拡大など、より活用しやすい制度改正が行われました。NISAは投資なので、確実にお金が増えるという仕組みではありません。そのため、NISAはお金が減るから危ないと考えている人もいるようです。
本記事では、NISAは本当にお金が減る危ない制度なのかどうか、貯金とNISAのどちらがおすすめなのかについて解説します。
NISAはお金が減る危ない制度なのか
NISAは、株式や投資信託などから得られた配当や分配金、売却時の譲渡益が非課税になる制度の名称です。NISAという商品を買うのではありません。そのため、NISAは通常の投資とリスクはほとんど同じであり、特別お金が減る制度ということではないのです。
NISAは投資ですので、元本保証はありません。利益が期待できる一方で、投資先の株価が下落してしまうと投資元本を下回ることも考えられます。実際、2024年8月5日には日経平均株価が大きく急落し、ブラックマンデー超えとも言われる事態が発生しました。
また、今年4月には、米国のトランプ大統領が発表した関税措置の影響で、世界的な株安が起こりました。新NISAが始まって1年半以内に2度の暴落があり、なかにはパニックになって「NISAは危ない」と考えた人もいるようです。
貯金とNISAどっちが貯まる?
これから20年間、月3万円を積み立てると想定しましょう。そのまま貯金すると総額は720万円です。貯金は元本保証されている分、利回りが低いので、資産が大きく増えることはありません。一方、NISAで想定利回りを年率2%として計算した場合、20年後の運用資産額は884万円となります。貯金した場合と160万円以上の差が出るのは驚きですよね。
金融庁によると、1989年以降、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に積立投資を行い20年間それぞれ保有した場合の年間収益率は、どの時点から始めても2~8%でした。年率2%は決して無茶な数字ではないでしょう。
貯金とNISA(投資)はそれぞれメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが良いとはいえません。しかし、よりお金が増える可能性があるのはNISAといえます。ある程度のお金を貯金したうえで余剰金をNISAに回すのがおすすめです。