韓国・務安国際空港で発生したチェジュ航空機胴体着陸事故。様々な憶測が飛び交う中、元操縦士で108万人ものフォロワーを持つ人気YouTuber「財テクを読むパイロット」氏が、事故原因に関する疑問に答える動画を公開し、大きな反響を呼んでいます。本記事では、その内容を詳しく解説し、事故の真相に迫ります。
エンジン停止と車輪の謎：元パイロットが解き明かす
事故機の着陸装置（ランディングギア）が作動しなかったことについて、様々な憶測が飛び交いました。当初は車輪が出ていたにも関わらず、2回目の着陸進入時には出ていなかったという点に着目し、操縦士のミスを疑う声も上がりました。しかし、「財テクを読むパイロット」氏はこの疑問に明確に反論しています。
氏によると、事故機の写真から両エンジンが停止していたことが確認できるといいます。エンジンが停止すると油圧系統が機能しなくなり、車輪が出なくなるのは当然のこと。さらに、手動で車輪を出す「ギアエクステンション」という操作も、緊急事態宣言から着陸までの短い時間では物理的に不可能だったと説明しています。
務安空港での胴体着陸事故の様子
操縦士の冷静な判断：ベテランパイロットだからこそできた対応
同氏は、自身もボーイング737-800型機の機長経験があり、事故機の機長とほぼ同じ飛行時間を持つことから、状況がよく理解できると語っています。エンジン停止という非常事態の中、操縦桿が重くなるなど困難な状況下で、機長は滑走路への胴体着陸という決断を下しました。
「財テクを読むパイロット」氏は、エンジンが両方停止していればすぐに着陸を試みたはずだが、最初は片方だけが停止していたため、適切な措置を取ろうとしたと推測。その過程で反対側のエンジンも停止したことに気づき、ゴーアラウンド（着陸やり直し）ではなく胴体着陸を選択したと分析しています。
隠された真の原因：滑走路端に設置されたコンクリート構造物？
「財テクを読むパイロット」氏は、操縦士の冷静な判断と適切な対応を高く評価しつつ、事故の真の原因は他にあると指摘しています。それは、滑走路端に設置されたコンクリート構造物。この構造物が、着陸時の安全性に影響を与えた可能性があるというのです。
徹底分析で浮かび上がる疑問点
動画では、具体的な構造物の名称やその影響について詳細な説明がされています。滑走路の設計や安全基準に関する専門家の意見も紹介され、事故原因究明の必要性を訴えています。
チェジュ航空機胴体着陸事故の現場
今後の航空安全に向けて：再発防止への取り組みが重要
今回の事故は、航空安全における様々な課題を浮き彫りにしました。操縦士の技術や判断力はもちろん重要ですが、空港設備の安全基準や緊急時の対応マニュアルなど、多角的な視点からの検証が必要です。関係機関による徹底的な調査と再発防止策の実施が期待されます。
