チェジュ航空のパイロット1人当たりの国際線運航便数が、韓国のLCCの中で最も多いことが明らかになり、安全面への懸念が高まっています。韓国国土交通部のデータによると、2022年のチェジュ航空の国際線運航便数は4万7026便。同社のパイロット数670人で割ると、1人当たり年間70.2便という驚きの数字になります。
LCCの中でも突出するチェジュ航空の運航スケジュール
LCCは中短距離路線が中心のため、大手航空会社よりも離着陸回数が多いのは当然ですが、チェジュ航空の運航スケジュールは他のLCCと比べても過密と言えるでしょう。ジンエアーの57.2便、ティーウェイ航空の46.2便と比較すると、チェジュ航空は20~30%も多い運航便数をパイロット1人当たりに割り当てています。
チェジュ航空の飛行機
整備士不足も深刻な問題
パイロット不足に加え、整備士不足もチェジュ航空の抱える課題です。国土交通部の勧告では、航空機1機当たり12人の整備士が必要とされていますが、チェジュ航空は2022年末まで11.2人にとどまっていました。その後、人員補充を行い基準はクリアしたものの、依然として人員不足への懸念は残ります。
チェジュ航空の見解と今後の対応
チェジュ航空は、パイロットの勤務スケジュールについては十分な休憩時間を確保していると主張。整備士不足については、コロナ禍による航空機保有数の減少に伴う自然減であると説明しています。さらに、2023年上半期に38人、下半期に27人の整備士を追加採用し、年末には560人の整備士を確保する計画を明らかにしています。
整備士の作業風景
過密なスケジュールによる安全への影響は?
しかし、航空業界の専門家からは、過密な運航スケジュールと人員不足が安全運航に影響を与える可能性を指摘する声も上がっています。「航空安全研究所」の山田一郎氏(仮名)は、「パイロットや整備士の疲労蓄積は、ヒューマンエラーのリスクを高める可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
利用者目線での安全確認の重要性
利用者としても、安全運航のための取り組みについて関心を持つことが重要です。チェジュ航空の今後の対応を注視し、安全性を最優先に考えた運航体制の構築を期待したいところです。
まとめ:チェジュ航空の安全運航に期待
チェジュ航空は、パイロット、整備士ともに人員不足が指摘されている中、積極的な採用活動を行っています。安全運航のためには、人員の確保だけでなく、適切な勤務体制の確立、そして社員の健康管理も重要です。チェジュ航空の今後の取り組みが、韓国の航空業界全体の安全向上に繋がることを期待します。