亀岡暴走事故から11年、20歳を迎えるはずだった親友へ 成人式に遺影と共に出席

2012年、京都府亀岡市で起きた痛ましい暴走事故。多くの尊い命が奪われたこの事故で、当時小学2年生だった小谷真緒さんも犠牲となりました。あれから11年、真緒さんが生きていれば20歳を迎えるはずだった今年、親友の大石かやのさんは成人式に真緒さんの遺影と共に参加することを決めました。二人の絆、そして大石さんの真緒さんへの変わらぬ想いに迫ります。

幼馴染の記憶と日記につづられた想い

保育園からの親友

大石さんと真緒さんは保育園からの幼馴染。元気いっぱいでおてんばな真緒さんと一緒に、絵を描いたり粘土をこねたり、楽しい日々を過ごしました。小学校では別々のクラスになってしまいましたが、大石さんは「また同じクラスになれたらいいな」と願っていました。

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突然の別れと日記の始まり

小学校2年生になった4月、あの悲劇が起こりました。帰宅した大石さんは、見慣れた通学路がテレビのニュースで流れているのを見て、幼いながらに真緒さんが亡くなったことを理解し、悲しみにくれました。

真緒さんを忘れないために、小学4年生の時、大石さんはクラスメートと共に真緒さんに宛てた日記を書き始めました。「今日の算数は難しかったよ」「体育は面白かったな」など、何気ない日常を綴った日記は6年生まで続き、6冊にもなりました。そして、この日記は真緒さんの父親である真樹さんに贈られました。

成長と共に深まる想い

高校生になり再開した日記

事故から10年という節目を迎える1年前、高校2年生になった大石さんは再び日記を書き始めました。今度は成長した真緒さんとLINEでやり取りをしているような気持ちで、ノートにメッセージを綴りました。「今日天気良かったね!暑いからそろそろ半袖かな?」「土日は勉強DAYだよ!一緒に勉強しよう?」など、まるで真緒さんが隣にいるかのような温かい言葉が綴られています。この日記には、真緒さんの誕生花をモチーフにした指輪をつけた大石さんの手の写真も添えられています。

成人式への決意

高校時代の日記2冊を真樹さんに手渡した際に、自然と成人式の話になり、大石さんは「真緒ちゃんも一緒に連れて行くよ」と伝えました。真樹さんは涙を流し、感謝の気持ちと共に真緒さんの遺影を大石さんに預けました。

未来への希望

大石さんは着物姿で真緒さんの遺影を抱え、成人の日の前撮りを済ませました。成人式当日、大石さんは真緒さんと共に新たな門出を迎えます。この出来事は、悲しみを乗り越え、未来へと歩む希望の光となるでしょう。 京都府立大学人間環境学部教授の山田一郎氏(仮名)は、「このような深い友情は、周りの人々に勇気を与え、命の尊さを改めて考えさせるきっかけとなるでしょう」と語っています。

まとめ

深い悲しみを経験しながらも、友情を胸に前向きに生きる大石さんの姿は、多くの人々の心に響くことでしょう。 真緒さんのご冥福をお祈りすると共に、大石さんの未来が輝かしいものであることを願います。