さえない表情を見せる立憲民主党の野田佳彦代表は、当然の状況にあると言えるでしょう。参議院選挙で自民党が大敗した一方で、立憲民主党は議席数を伸ばすことができず、実質的な敗北を喫しました。
立憲民主党の主要メンバーである蓮舫氏の表情。参院選の厳しい結果を反映しているかのように見える。
国民民主党が公示前の4倍以上となる17議席、わずか1議席の参政党が14議席を獲得したのと比べれば、野党第一党としての立憲民主党の低迷は際立っています。全国での議席取りこぼしが相次いだ主な原因は、首都・東京選挙区と比例代表選で露呈した場当たり的な選挙戦術にあったと指摘されています。
期待外れの東京選挙区、塩村・奥村両氏の苦戦
東京選挙区は定数6に非改選の欠員枠1を合わせた7議席を巡る激戦区であり、立憲民主党は塩村文夏氏と奥村政佳氏の現職二人を擁立しました。選挙戦の中盤まで、党執行部は塩村氏の上位当選を確実視しており、投票締め切りと同時にNHKが「当選確実」を報じるだろうと楽観的な見方まで取り沙汰されていました。トップ当選もあり得るとの見方も存在したほどです。
しかし、開票結果は期待を裏切るものでした。塩村氏は7位で辛うじて滑り込み、奥村氏に至っては塩村氏とおよそ15万票差の9位に沈み、議席を失う結果となりました。
露呈した党内ガバナンス不全:小西議員と塩村氏のSNS騒動
選挙戦の中盤で奥村氏の旗色が良くないと判明すると、党内の混乱が露呈しました。特に、投票日の6日前に小西洋之参院議員が「自民に2議席を渡さないため、立憲のおくむらまさよしに投票をお願いします!」と奥村氏への集中的な投票をSNSで呼びかけたことが波紋を呼びました。
これに対し、危機感を持った塩村氏は直後に「小西さんがおすすめする方法ですと、私は落選してしまいますよね」と怒気をはらんだ苦言をSNSに投稿。小西氏はすぐに投稿を削除したものの、立憲民主党の関係者は苦笑いを隠せませんでした。この文字通りの「内輪もめ」は、有権者に党内の混乱ぶりをまざまざと見せつけ、立憲民主党が国政選挙においても党内ガバナンスが機能せず、二人の候補者を当選に導く戦略も戦術もないことを露呈する結果となりました。
結論
今回の参議院選挙における立憲民主党の実質的な敗北は、単に議席数が伸びなかったというだけでなく、東京選挙区での候補者間の不協和音や場当たり的な選挙戦術、そして何よりも露呈した党内ガバナンスの欠如という構造的な問題が深く関わっていました。野党第一党として今後、党の立て直しと信頼回復に向けて、抜本的な改革と明確な戦略が求められるでしょう。
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