韓国経済の不安要素として、深刻な財政赤字問題が浮上しています。2024年の財政赤字は9兆円を超える見通しで、今後の経済運営に大きな影を落とすと懸念されています。jp24h.comでは、この問題の現状と今後の展望について詳しく解説します。
9兆円超えの財政赤字、その背景とは?
韓国企画財政部が発表した「月間財政動向1月号」によると、2024年の財政赤字は9兆9000億円(91兆6000億ウォン)を超える見込みです。これは、2020年、2022年に続き、過去3番目の規模となります。
歳入の増加にも関わらず、歳出の増加がそれを上回ったことが主な要因です。特に社会保障費の支出増加が大きく影響しています。また、法人税などの国税収入が当初の予想を下回ったことも赤字拡大に拍車をかけています。
韓国ウォン
企業業績の不振が財政悪化に追い打ち
2023年の企業業績の不振も、財政悪化に追い打ちをかけています。特に、サムスン電子の2023年10-12月期の営業利益は、市場予想を大きく下回る結果となりました。これにより、サムスン電子から徴収される法人税も減少する見込みで、財政赤字はさらに拡大する可能性があります。
2025年の財政赤字、更なる拡大の懸念
2025年の財政赤字も、7兆3900億円(73兆9000億ウォン)と高水準で推移すると予想されています。 ソウル市立大学税務学科のキム・ウチョル教授は、「補正予算が編成されれば、政府支出がさらに拡大し、財政赤字は11兆円を超える可能性もある」と指摘しています。税収の減少に加え、景気対策のための支出増加が懸念材料となっています。
国家債務の増加、経済への影響は?
財政赤字の拡大は、国家債務の増加に直結します。2024年11月末時点での中央政府債務は、既に1159兆5000億ウォンに達しています。国家債務の増加は、国の財政健全性を損ない、将来世代への負担を増大させるだけでなく、国際的な信用力の低下にもつながる可能性があります。
今後の対策と課題
韓国政府は、財政健全化に向けた取り組みを強化する必要があります。歳出の効率化、歳入基盤の強化、経済成長の促進など、多角的な対策が求められます。
財政赤字問題は、韓国経済にとって大きな課題です。今後の動向を注視していく必要があります。
専門家の見解
経済アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「韓国経済は、財政赤字の拡大に加え、少子高齢化、地政学リスクの高まりなど、多くの課題を抱えている。政府は、構造改革を断行し、経済の体質強化を図る必要がある」と述べています。