北朝鮮の金正恩総書記が、2025年にどのような外交戦略を展開するのか、世界が注目しています。特に、トランプ前大統領の再選を視野に入れ、日米韓の連携を揺さぶる可能性が指摘されています。本記事では、専門家の分析を交えながら、北朝鮮の思惑と今後の展望を詳しく解説します。
トランプ氏との対話再開を模索?日本との接触も視野に
峨山政策研究院の車斗鉉副院長は、金正恩総書記が表向きには米朝交渉に関心がない姿勢を示しつつも、トランプ氏の再選と、それに伴う対話再開に期待を寄せている可能性を指摘しています。
注目すべきは、金総書記がトランプ氏との早期会談実現に向けて奔走する中で、日本との接触を再開する可能性があるという点です。これは、米国との核凍結または核軍縮交渉の布石として、日本との対話を活用する戦略と見られています。
alt(2019年、板門店で会談するトランプ前大統領(右)と金正恩総書記。過去の対話の行方は?)
「通米封南」戦略で日米韓の分断を図る?
車斗鉉副院長は、北朝鮮の外交戦略として「通米封南(米国と通じ、韓国を封じる)」戦略を挙げ、日米韓協力の弱点を突く可能性を示唆しています。
具体的には、米国や日本との直接取引の可能性を示唆することで、最終的には「核保有国の地位」を既成事実化しようとする狙いがあると分析されています。
同時に、南北間の物理的・心理的断絶を深め、韓国に対する戦略的優位を確保しようとする動きも予想されます。
緊張高める挑発行動でトランプ政権の関心を惹きつける?
北朝鮮は、第2次トランプ政権において北朝鮮問題の優先順位を引き上げるため、朝鮮半島での緊張を高める挑発行動に出る可能性も指摘されています。
無人機侵入などの挑発行為を継続し、西海(黄海)での「海上国境線」の宣言を契機に南北間の衝突リスクを高めることで、韓国を標的とした戦術核能力の強化を誇示する狙いがあると見られています。
7回目の核実験の実施も懸念されており、今後の動向に注視が必要です。
専門家の提言:日米韓の連携強化が重要
専門家は、日米韓が北朝鮮の戦略に翻弄されないよう、連携を強化する必要性を訴えています。
北朝鮮による日朝接触の示唆は、最終的には日米韓協力を瓦解させるために利用される可能性があるため、警戒が必要です。 北朝鮮の核脅威を抑制するためには、米国の拡大抑止公約を強化するために日韓が協力して努力することが重要です。
また、米国に対しては、韓国と調整されていない対北朝鮮支援の費用を負担しないという立場を明確に伝えるべきだと提言しています。 米国が北朝鮮の核脅威を最優先で排除したいのであれば、北朝鮮の核能力を抑制するために戦術核の再配備など、具体的な拡大抑止措置を並行して実施する必要がある点を強調すべきだとしています。
2025年の北朝鮮情勢:予断を許さない展開
2025年の北朝鮮情勢は、予断を許さない展開が予想されます。 金正恩総書記の戦略、トランプ前大統領の再選、そして日米韓の対応次第で、朝鮮半島の未来は大きく左右されるでしょう。 今後の動向から目が離せません。