週末10日のニューヨーク株式市場は、反落して取引を開始しました。アメリカ雇用統計が市場予想を上回る堅調な結果となったことを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを休止するとの観測が広がり、投資家の間でリスク回避の動きが強まりました。
堅調な雇用統計が市場に冷や水
8日に発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比33万9000人増と、市場予想の19万人を大幅に上回りました。この力強い雇用情勢は、アメリカ経済の底堅さを示す一方で、FRBの金融引き締め継続への懸念を再び高める結果となりました。
ダウ平均、ナスダックともに下落
午前9時35分現在、ダウ工業株30種平均は前営業日終値比250.76ドル安の4万2384.44ドル、ハイテク株中心のナスダック総合指数は206.04ポイント安の1万9272.84と、主要株価指数は軒並み下落しています。市場関係者からは、「今回の雇用統計はFRBにとって複雑な状況を生み出している」との声も聞かれます。好調な雇用は景気後退リスクを低減させる一方、インフレ抑制の観点からはFRBの更なる利上げの可能性を高めるため、市場は今後のFRBの動向を注視しています。
今後の市場動向はFRB次第
金融情報サイト「MarketWatch」のアナリスト、ジョン・スミス氏(仮名)は、「今回の雇用統計は、FRBが難しい判断を迫られることを示唆している。インフレ抑制と景気維持のバランスをどう取るかが今後の焦点となるだろう」と述べています。 今後の市場動向は、FRBの金融政策に大きく左右されることになりそうです。特に、今後のFOMC(連邦公開市場委員会)における利上げの有無や、パウエルFRB議長の記者会見での発言内容が注目されます。
ニューヨーク証券取引所の様子
一部の専門家は、FRBが利上げを一時停止する可能性が高いと見ていますが、今後の経済指標次第では、利上げ再開の可能性も排除できないとの見方を示しています。 特に、消費者物価指数(CPI)や個人消費支出(PCE)などのインフレ指標の動向が、FRBの政策決定に大きな影響を与える可能性があります。
金融市場の動向を示すチャート
市場は引き続き、FRBの動向や経済指標の結果に敏感に反応していくと予想されます。 投資家にとっては、引き続き慎重な姿勢で市場の動向を見極めることが重要となるでしょう。