メタ、アマゾンも多様性プログラム廃止へ 米企業で広がる動き

アメリカの巨大IT企業、メタとアマゾンが社内の多様性プログラムを廃止する方針を打ち出し、波紋を広げています。本記事では、この動きに関する背景、企業側の理由、そして専門家や関係者の意見まで、多角的に解説していきます。

多様性プログラム廃止の背景

近年、アメリカ企業では採用や社内研修において、多様性確保の取り組み(DEI:Diversity, Equity, and Inclusion)が推進されてきました。しかし、保守派からの批判の高まりや、法的・政治的リスクを懸念する声も上がっていました。

メタとアマゾンのロゴメタとアマゾンのロゴ

こうした中で、2023年には最高裁が大学入試における人種考慮を否定する判決を下すなど、司法の場でも変化が見られました。これらの状況が、企業の多様性プログラム見直しにつながっていると考えられます。

メタ、アマゾンの動き

メタは、採用や取引先との関係、社内研修など多岐にわたる分野で多様性プログラムを終了する方針を社内メモで発表しました。メモの中では、法規制や社会情勢の変化、そして「DEI」という言葉自体への批判の高まりを理由に挙げています。

今後は、多様な人材の採用自体は継続するものの、特定の属性の候補者を優先的に採用する取り組みは終了するとのこと。中小企業との取引を重視する方向へ転換し、「公平性と包括性」に関する研修も、すべての従業員を対象としたバイアス軽減プログラムへと変更するとしています。

アマゾンも同様に、2024年末までに社内人材の多様性確保のための取り組みを終了する方針を明らかにしました。同社は、個別のグループによるプログラムではなく、より包括的な文化育成を目指すとしています。

これらの動きは、ウォルマートやマクドナルドなど、他の大手企業にも広がっています。

専門家の見解

企業経営コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「企業は常に変化する社会情勢や法規制に対応する必要がある。今回のメタやアマゾンの決定は、リスク管理の観点からも理解できる」と指摘しています。

社会への影響

これらの企業の決定は、社会全体に大きな影響を与える可能性があります。LGBTQ+の権利擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」は、職場の多様性確保は優秀な人材確保や長期的なビジネス成長につながると主張し、企業の責任を問う声明を発表しました。

一方、保守派の活動家からは、これらの決定を歓迎する声も上がっています。

今後の展望

今後、他の企業も追随するのか、そして社会全体の多様性推進にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。 多様性に関する議論は、アメリカ社会において今後も重要なテーマであり続けるでしょう。

まとめ

メタやアマゾンをはじめとするアメリカ企業の多様性プログラム廃止の動きは、社会情勢や法規制の変化を反映したものです。今後の企業の動向、そして社会全体への影響に注目が集まります。