白浜町コミュニティバス、終点未到達で運行停止処分:乗客ゼロで営業所へ引き返し、常態化か

白浜町の美しい景色を縫うように走るコミュニティバス。しかし、その運行に大きな問題が発覚しました。なんと、乗客がいないことを理由に、終点まで行かずに営業所へ引き返すという事態が常態化していたというのです。今回は、この問題について詳しく解説し、今後の地域交通のあり方について考えていきます。

乗客ゼロで早期折り返し、行政処分へ

和歌山県白浜町が運営するコミュニティバスが、終点まで運行せずに営業所に戻っていたことが発覚し、国土交通省近畿運輸局は運行を委託された明光タクシーに対し、車両1台を10日間使用停止とする行政処分を下しました。

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問題となったのは、2024年10月16日、川添線(朝来駅発―市鹿野行き)の午後6時発の最終便。生馬停留所まで運行したものの、乗客がいなかったため、終点の市鹿野まで行かずに営業所へ引き返したとのことです。

この事実は、翌日にバスを待っていた利用者からの連絡によって発覚。和歌山運輸支局の調査により、少なくとも2~3年前から同様の運行が繰り返されていたことが明らかになりました。

コミュニティバスの役割と責任

コミュニティバスは、地域住民の生活の足として、なくてはならない存在です。特に、白浜町のような観光地では、観光客の移動手段としても重要な役割を担っています。今回の件は、利用者の信頼を大きく損なうだけでなく、地域交通の根幹を揺るがす重大な問題と言えるでしょう。

運行会社の責任

明光タクシーは、運行を委託された企業として、定められた運行ダイヤを遵守する責任があります。乗客の有無に関わらず、終点まで運行することが義務付けられています。今回の件は、その責任を放棄したと言えるでしょう。

行政の監督責任

白浜町もまた、コミュニティバスの運行を監督する責任があります。今回の問題の常態化は、町の監督体制の甘さを露呈したと言えるでしょう。今後、再発防止策を徹底し、住民の信頼回復に努める必要があります。

地域交通の未来を考える

今回の問題は、白浜町だけの問題ではありません。全国各地のコミュニティバスが、利用者減少や財政難などの課題に直面しています。

持続可能な運行体制の構築

地域住民のニーズを的確に捉え、効率的な運行ダイヤやルートを設定するなど、持続可能な運行体制の構築が急務です。

ICT技術の活用

ICT技術を活用した予約システムやデマンド交通の導入など、新たなサービスの展開も検討すべきでしょう。

今回の白浜町の事例を教訓に、地域交通のあり方を見直し、より良いサービスを提供していく必要があるのではないでしょうか。

まとめ

白浜町コミュニティバスの終点未到達問題は、地域交通の重要性を改めて認識させる出来事となりました。関係者は真摯に反省し、再発防止に全力を尽くす必要があります。また、地域住民も積極的にコミュニティバスを利用し、地域交通の活性化に貢献していくことが大切です。