韓国で働く日本人、増加の一途を辿っています。かつては日本への就職を目指す韓国人が多かったものの、今では韓国企業へ転職する日本人が増えているという興味深い現象が起きています。一体何が彼らを惹きつけているのでしょうか?本記事では、K-POPの影響や待遇面の魅力など、背景にある要因を探ります。
K-POPがきっかけで韓国語習得、就職へ
韓国への就職を希望する日本人にとって、K-POPは大きな影響を与えています。少女時代やTWICE、BLACKPINKといった人気アイドルグループのファン活動を通して韓国語を学び、自然と韓国への就職を考えるようになったという声が多く聞かれます。2014年には韓国で就労ビザを持つ日本人はわずか1名でしたが、2024年10月現在では約2200人にまで増加しています。幼い頃から韓国ドラマやK-POPに触れ、韓国語を習得した世代が就職適齢期を迎えたことが、この増加の大きな要因と言えるでしょう。
韓国で働く日本人
円安と賃金上昇で魅力増す韓国
円安の進行と韓国の賃金水準の上昇も、韓国就職の魅力を高めています。韓国経営者総協会の報告によると、2022年の韓国の会社員の平均月収は約43万円と、日本の約41万円を初めて上回りました。20年前には日本の半分程度だった韓国の賃金が、今では日本を逆転しているのです。この経済的なメリットも、日本人が韓国企業を選ぶ大きな理由となっています。韓国料理研究家のキム・スンヨン氏も、「経済的な安定を求めて韓国へ渡る日本人が増えている」と指摘しています。
IT業界を中心に、高スキル人材の流入も
韓国で就職する日本人の経歴も変化しています。以前は韓国の大学を卒業した留学生が多かったのですが、近年は日本で大学を卒業し、日本の企業で経験を積んだ後、韓国企業へ転職するケースが増えています。特にIT業界では、韓国の技術水準や研究開発投資の活発さが魅力となり、優秀な日本人技術者が韓国企業に流入しています。早稲田大学卒業後、日本でコンサルタントとして活躍し、現在は韓国のAIスタートアップで働く長井さんは、「IT業界では、日本よりも韓国の方が優れている点が多い」と語っています。
韓国と日本の給与比較
まとめ:韓国は新たなキャリアの可能性を秘めた地
K-POPの影響、好待遇、そして成長著しいIT業界など、韓国は日本人にとって新たなキャリアの可能性を秘めた場所となっています。韓国語能力や専門スキルを活かし、グローバルな舞台で活躍したいと考える日本人にとって、韓国企業への就職は魅力的な選択肢と言えるでしょう。人事コンサルタントのパク・チョル氏は、「日本人の勤勉さと韓国のスピード感が融合することで、新たなイノベーションが生まれる可能性がある」と期待を寄せています。