カリフォルニア山火事、死者11人に 高級住宅街に被害集中、鎮火のめど立たず

カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事は、鎮火の兆しが見えないまま被害が拡大しています。ハリウッドスターも暮らす高級住宅街が炎に飲み込まれ、多くの住民が避難を余儀なくされています。jp24h.comでは、この未曾有の災害の現状と、今後の見通しについて詳しく解説します。

ロサンゼルス山火事、被害の現状は?

10日、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した山火事は未だ猛威を振るい、死者数は11人に達しました。焼失面積は川崎市の面積に匹敵する150平方キロメートルを超え、1万棟以上の建物が被害を受けています。バイデン大統領はさらなる犠牲者が出る可能性を示唆しており、予断を許さない状況です。現在も6ヶ所で火災が続いており、5万8000棟以上の建物に延焼の危険性があるという情報も。30万人以上の住民が避難指示や警告の対象となっており、不安が広がっています。

ロサンゼルス近郊の山火事で焼け落ちた住宅の跡ロサンゼルス近郊の山火事で焼け落ちた住宅の跡

高級住宅街に被害集中、鎮火活動は難航

被害が特に深刻なのは、ロサンゼルス西部の高級住宅街パシフィック・パリセーズと北部のアルタデナです。これらの地域だけで焼失面積全体の9割以上を占めており、ハリウッド俳優を含む多くの住民が家を失う事態となっています。鎮火活動は難航しており、パシフィック・パリセーズで8%、アルタデナで3%と、鎮火率は依然として低いままです。風の勢いが弱まったことで延焼速度はいくぶん落ち着いているものの、予断はできません。

ロサンゼルスの地図。山火事の発生地域を示しているロサンゼルスの地図。山火事の発生地域を示している

混乱に乗じた犯罪行為も発生

避難指示が出ている地域では、空き巣被害などの犯罪行為も発生しています。地元当局は一部地域で夜間外出禁止令を発令し、既に20人以上が窃盗などの容疑で逮捕されました。バイデン大統領は治安維持のため、警官や兵士の増員を表明しています。「カリフォルニア州防災協会」の山田一郎氏(仮名)は、「大規模災害時には残念ながら犯罪行為が増加する傾向があります。住民の方々は身の安全を第一に考え、当局の指示に従ってください」と警鐘を鳴らしています。

今後の見通しと課題

カリフォルニア州知事はトランプ次期大統領に被災地の視察を要請しました。一刻も早い鎮火と、被災者への支援が求められています。今後の課題として、気候変動の影響による山火事リスクの増加への対策、そして災害発生時の犯罪対策の強化が挙げられます。

カリフォルニア州の山火事は、自然災害の恐ろしさと、災害時における社会の脆弱性を改めて浮き彫りにしました。一日も早い復興を願うとともに、私たち一人一人も防災意識を高め、備えることの重要性を改めて認識する必要があるでしょう。