人生においてお金は大切ですが、お金に支配されてしまうと本当の幸せを見失ってしまいます。「お金があれば幸せになれる」という考えは、必ずしも真実ではありません。精神科医として40年以上、悩める人々に寄り添ってきた経験から、お金と幸せのバランスについて考えてみましょう。
お金と幸せのバランス:自分にとって「十分」とは?
「お金がすべて」と考えてしまうと、常に「もっとお金が欲しい」という欲望に駆り立てられ、心は満たされません。 大切なのは、自分にとって「十分な金額」とは何かを明確にすることです。 哲学者のニーチェが提唱した「個人の独立と自由」を可能にする金額、つまり、自分らしく生きるために必要な金額を把握することが重要です。 周囲の人の収入や持ち物に惑わされず、自分にとって本当に必要なものを見極めましょう。
お金の価値を考える女性
ゲーテに学ぶお金との付き合い方
お金との理想的な関係を築いた人物として、ドイツの文豪ゲーテが挙げられます。彼は裕福な家庭に生まれましたが、経済的自立を望み、弁護士から政府顧問へと職を変えながら必要経費を稼ぎました。 ゲーテは仕事に手を抜かず、収入と支出を細かく記録し、経済的な基盤を築いた上で、情熱を注ぐ執筆活動に励みました。 彼のように、仕事とお金のバランスを保ちながら、自分のやりたいことを実現していくことが大切です。
お金に対する哲学を持つ
お金に対する考え方、つまり「お金の哲学」を持つことで、お金に振り回されずに済みます。 年収4000万円でも感謝の気持ちを持つ人もいれば、1億円でも不満を抱く人もいます。 自分にとってのお金の価値、お金の役割を明確にすることで、転職や住宅購入といった人生の選択も、自信を持って行えるようになります。
お金を召使いにする
哲学者フランシス・ベーコンは、「お金を汝の召使いとしなければ、お金は汝の主人となるだろう」という言葉を残しました。 お金が目的になってしまうと、人生は味気なく、不幸なものになってしまいます。 お金はあくまでも手段であり、私たちが使う側でなければなりません。 私自身、精神科医として長年働いてきて感じるのは、お金の役割は自分を守り、やりたいことを実現させてくれること、そして社会貢献を可能にしてくれることだと考えています。
自分らしい幸せを見つける
お金は人生を豊かにするための大切な要素ですが、お金だけに囚われてしまうと、本当の幸せを見失ってしまいます。 自分にとって「十分な金額」を把握し、お金に対する明確な哲学を持つことで、お金に振り回されず、自分らしい幸せを見つけることができるでしょう。 ぜひ、自分にとっての幸せとは何か、改めて考えてみてください。