東京女子医大「赤い巨塔」の女帝、岩本元理事長の失墜劇:疑惑の資金と告発の真相

東京女子医科大学、通称「赤い巨塔」。その異名を持つ大学病院で、絶対的権力を持つ岩本絹子元理事長に何が起きたのか。巨額の資金流用疑惑、内部告発、そして解任劇。本記事では、その真相に迫ります。

女帝の失墜:解任後の岩本氏

2024年8月、岩本元理事長は突如、理事長の座を追われました。約5億円もの巨費を投じて改装した豪華な理事長室への立ち入りも禁じられ、「赤い巨塔」から追放されたのです。

岩本絹子氏岩本絹子氏

現在、都内の自宅兼産婦人科医院に引きこもる日々を送っているとされています。近隣住民によると、散歩する姿も見られず、外出の際は運転手らに通路をビニールシートで覆わせる徹底ぶり。メディアの目を極端に警戒している様子が伺えます。警視庁捜査二課の事情聴取のため、時折外出する姿が目撃されています。

内部告発が暴いた「疑惑の資金」

佐賀県唐津市出身の岩本氏は、東京女子医大創立者一族の出身。2019年に理事長に就任し、当時赤字経営だった同大学を人件費削減やコストカットで黒字化しました。しかし、その裏で巨額の資金流用疑惑が浮上しています。

事の発端は、女子医大事務職員2人による内部告発でした。2022年4月、週刊文春が「東京女子医大の女帝 『疑惑のカネ』」をスクープ。架空の職員出向など、億単位の不正な資金の流れが報じられました。

岩本氏側は内部監査室の元刑事の職員に命じて告発者を特定し、懲戒解雇に踏み切りましたが、この強硬な姿勢が更なる火種となりました。女子医大卒業生の有志が立ち上がり、岩本氏を背任罪で警視庁に告発したのです。

第三者委員会による厳しい評価

警視庁は1年間の内偵捜査を経て、2024年3月に岩本氏の自宅や女子医大などを家宅捜索。事態を重く見た文部科学省は、第三者委員会による調査を指示しました。

3ヶ月に及ぶ調査の結果、第三者委員会は週刊文春および文春オンラインの報道内容を概ね事実と認定。岩本氏に対し、経営責任を問う厳しい評価を下しました。

巨塔の崩壊:女帝の末路

かつて女帝として君臨した岩本氏。資金流用疑惑、内部告発、解任、そして捜査。一連の騒動は、医療界に大きな衝撃を与えました。今後の捜査の行方、そして東京女子医科大学の再生への道は、多くの関係者が見守っています。

東京女子医大の未来

この事件は、組織運営における透明性と倫理の重要性を改めて問うものです。東京女子医科大学は、この危機を乗り越え、未来への信頼回復に尽力していくことが求められています。今後の動向に注目が集まります。