韓国の大学浪人、過去最高を記録!その背景と未来は?

韓国では、大学受験浪人生の割合が過去最高を更新し続けています。2024年度の4年制大学新入生のうち、浪人生の割合は大学修学能力試験(修能、日本の大学入試センター試験に相当)導入以来、最高水準に達しました。この記事では、その背景や今後の動向について詳しく解説します。

浪人増加の現状

2024年度のソウル市内の4年制一般大学の入学者のうち、なんと37.3%が浪人生でした。これは前年の36.1%から1.2ポイントも上昇しており、修能が導入された1994年度以降で最も高い数値です。これまでの最高記録は2002年度の36.8%でしたが、それを大きく上回る結果となりました。

ソウル・大峙洞の学習塾街(c)news1ソウル・大峙洞の学習塾街(c)news1

全国平均で見ても、浪人生の割合は28.5%に達し、こちらも過去最高を記録しています。地域別では、世宗市が37.6%と最も高く、ソウル(37.3%)、仁川(32.5%)、済州(30.2%)と続いています。世宗市の高い数値は、高麗大学や弘益大学のキャンパスが世宗市にあることが影響していると考えられています。

なぜ浪人が増加しているのか?

浪人生の増加は、文理統合型の修能が導入された2022年度以降、顕著になっています。主な要因としては、修能に再挑戦する卒業生の増加が挙げられます。2024年度の修能受験者のうち、浪人生の割合は31.7%に達し、これは1997年度以来27年ぶりの高水準です。

教育専門家のパク・ミンソン氏(仮名)は、「近年の大学入試は非常に競争が激しく、一度の受験で希望の大学に合格するのは難しい状況です。特に医学部人気が高まっており、上位大学を目指す学生は浪人してでも第一志望校合格を目指そうとする傾向が強まっています。」と分析しています。

医学部人気と上位大学志向

医学部人気は浪人増加の大きな要因の一つです。医師という職業の安定性や社会的地位の高さが、多くの学生を医学部へと駆り立てています。また、上位大学への進学は、将来のキャリアに大きな影響を与えるため、学生たちは少しでも上位の大学を目指して浪人を選択する傾向にあります。

今後の展望

少子化が進む韓国では、大学入学定員は減少傾向にありますが、浪人生の増加により、大学受験競争はさらに激化すると予想されます。今後、大学入試制度の見直しや、多様な進路選択の支援など、抜本的な対策が必要となるでしょう。