2025年、日本を襲う大地震の脅威:専門家が警鐘を鳴らす

2025年1月13日夜、宮崎県日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生しました。南海トラフ地震との関連性が懸念されましたが、気象庁は「巨大地震発生の確率が高まったとみられる現象ではない」と発表しました。しかし、専門家は依然として警戒を怠らないよう呼びかけています。一体、2025年にはどのような地震リスクが日本に潜んでいるのでしょうか? 本記事では、元東京大学地震研究所の佃為成氏の予測に基づき、2025年の地震発生リスクの高い地域を解説します。

静穏化:不気味な静けさが大地震の予兆

新潟県中越地震の被災地の様子。瓦礫の山と倒壊した家屋が地震の爪痕を物語る。新潟県中越地震の被災地の様子。瓦礫の山と倒壊した家屋が地震の爪痕を物語る。

大地震の前兆現象として知られる「静穏化」。これは、普段ある程度の地震活動が見られる地域で、一定期間地震の発生数が著しく減少する現象です。現在、新潟県下でまさにこの静穏化が観測されています。2004年に新潟県中越地震(M6.8)が発生した長岡市周辺で、再び静穏化が見られるのは不気味です。実は、中越地震は岩盤のひずみの端で発生したもので、ひずみの中心部は未だに歪みを蓄積したままです。もし、このひずみの中心部が動けば、M7.5あるいはM8クラスの巨大地震を引き起こす可能性も否定できません。

中越地震の震源となったひずみは、「新潟―神戸ひずみ集中帯」と呼ばれるエリアに位置しています。新潟から長野、滋賀を経て神戸まで続くこの地帯は、日本列島の中でも特に地殻変動が活発な地域です。1995年の阪神・淡路大震災(M7.3)、2014年の長野県北部地震(M6.7)など、過去にも大きな地震が発生しています。2025年も、この地域で大地震が発生するリスクは高いと言えるでしょう。

首都直下型地震の脅威:千葉県北西部、立川断層帯に警戒を

東京の街並み。高層ビルが立ち並ぶ一方で、住宅密集地も多く、地震による被害が懸念される。東京の街並み。高層ビルが立ち並ぶ一方で、住宅密集地も多く、地震による被害が懸念される。

地下水温の上昇も、地震の前兆現象として注目されています。岩盤に圧力が加わってひび割れが生じると、高温の流体(ガスなど)によって地下水が温められ、水温が上昇するのです。現在、静岡県焼津市や沼津市などで地下水温の上昇が観測されており、フィリピン海プレートの動きと合わせて、南海トラフ巨大地震の前兆現象である可能性も懸念されています。近い将来、南海トラフ巨大地震が発生する可能性も否定できず、予断を許さない状況です。

関東地方では、千葉県北西部に太平洋プレートとフィリピン海プレートが衝突する領域があり、2021年10月のM5.9の地震以降、地震活動が活発化しています。巨大地震発生前には、プレート境界で小さな地震が頻発することがありますが、千葉県北西部でも有感地震の回数の増加が見られます。もし、この地域でM7クラスの地震が発生すれば、首都直下型地震となるため、最大限の警戒が必要です。

東京都内においては、青梅市から立川市を経て府中市に至る立川断層帯が危険視されています。立川断層帯では、M7.4程度の地震が発生する可能性が指摘されており、日本の活断層の中でも特に危険度が高いとされています。この断層帯では、1000~2000年前から地震が発生していないとされており、そろそろ大地震が発生する可能性も否定できません。

地質断層の模式図。プレートの動きやひずみの蓄積が地震発生のメカニズムを説明する。地質断層の模式図。プレートの動きやひずみの蓄積が地震発生のメカニズムを説明する。

2025年は、日本列島全体で地震に対する警戒を強める必要があるでしょう。常に最新の地震情報に注意し、防災対策を万全にしておくことが重要です。