韓国で小児感染症流行の懸念高まる!ヒトメタニューモウイルス(hMPV)に警戒を

韓国で、小児感染症の流行拡大が懸念されています。特に、中国で流行しているヒトメタニューモウイルス(hMPV)や、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎への警戒が高まっています。小児科医からは、今年の呼吸器感染症の発生規模が前年を上回る可能性が高いとの警告も出ており、医療現場の負担増加への対策が急務となっています。

小児感染症、前年比増加の予測

小児病院協会が全国120カ所の病院院長を対象に行った調査によると、85%の医師が小児感染症の発生率増加を予測しています。そのうち35%は「20%以上増加する」と回答しており、深刻な状況が予想されます。

ソウル市内の小児科で診療を待つ子どもと保護者ソウル市内の小児科で診療を待つ子どもと保護者

最も懸念されている感染症はhMPVで、回答の30%を占めました。続いてインフルエンザ(13%)、マイコプラズマ肺炎(12%)、アデノウイルス(9%)と続きます。

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)とは?

hMPVは、決して新しいウイルスではありませんが、中国での大流行を受け、韓国への影響が懸念されています。小児病院協会のチェ・ヨンジェ会長は、「中国との地理的近さや中国系の新生児患者の増加が懸念材料だ」と指摘しています。

深刻化する地方の小児科医療の機能不全

地方の小児科医療は深刻な機能不全に陥っています。チェ会長は、「重症患者を受け入れられる病院を探すのに1~2時間かかることもある」と現状の厳しさを訴えています。政府が試験的に導入した「小児患者転送ネットワーク」は一定の効果を上げていますが、更なる支援策が必要とされています。

小児科医不足も深刻な問題です。近年、専門医を志望する医師が減少し、若手医師の離職も相次いでいます。感染症の流行拡大により、医療体制全体の崩壊を招く恐れも懸念されています。

専門家の声

著名な小児科医である田中先生(仮名)は、「保護者の皆様には、こまめな手洗い、うがい、マスクの着用など、基本的な感染対策を徹底していただくことが重要です。また、お子様に発熱や咳などの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください」と呼びかけています。

まとめ

韓国では、小児感染症、特にhMPVの流行拡大が懸念されています。医療現場の負担軽減、小児科医不足への対策など、政府による迅速な対応が求められています。保護者も感染対策を徹底し、お子さんの健康管理に気を配ることが大切です。