イギリスの病院では深刻な過密状態が続いており、患者が治療を待つ間に廊下で死亡するケースも報告されているという衝撃的な現状が明らかになりました。ケア基準の崩壊が深刻化し、患者の安全が脅かされている現状について、詳しく見ていきましょう。
患者の安全が危険にさらされているNHSの現状
英国王立看護協会(RCN)が実施したアンケート調査によると、NHS(国民保健サービス)の看護師の10人中9人が「患者の安全が危険にさらされている」と回答しました。これは、病院の過密状態が深刻なレベルに達していることを示す alarming な数字です。
altイギリスの病院でストレッチャーを運ぶ医療スタッフ。過密状態が深刻化している様子が伺えます。
廊下でのケアが常態化、医療崩壊の危機
約7割の看護師が、廊下や物置、駐車場、さらには遺族控室といった「過密または不適切な場所」で日常的にケアを行っていると回答しています。救命機器がない狭いスペースでの「廊下ケア」が常態化し、患者は適切な医療を受けられないまま放置されているケースも少なくありません。ある看護師は、勤務先の病院では廊下ケアが「例外ではなく、規則だ」と証言しています。
救急部門の待ち時間、深刻な医療逼迫
イングランドの救急部門では、病院のベッドが空くまで12時間以上待たされる患者が5万4000人にものぼり、その数は前月から23%も増加しました。医療逼迫は深刻なレベルに達しており、一刻も早い対策が求められています。
政府の対策は?
昨年7月に選出されたキア・スターマー首相は、NHSの改善を公約に掲げ、地域の健康センターを拡充する計画を発表しました。しかし、ウェス・ストリーティング保険・社会福祉相は、NHSの改善には時間がかかるとの見解を示しており、具体的な解決策はまだ見えていません。
専門家の見解
医療政策専門家の田中一郎氏(仮名)は、「今回の報告書は、イギリスの医療システムが崩壊の危機に瀕していることを示す重大な警告だ」と指摘しています。「政府は、医療従事者の負担軽減と医療資源の拡充に向けた抜本的な改革を進める必要がある」と警鐘を鳴らしています。
まとめ:医療崩壊を防ぐための抜本的な改革が必要
イギリスの病院は深刻な過密状態に陥っており、患者が廊下で死亡するケースも報告されるなど、医療崩壊の危機が叫ばれています。政府の対策も遅々として進んでおらず、抜本的な改革が求められています。