新入生にとって、大学生活への期待と不安が入り混じる春。サークル活動は、新しい友人との出会い、共通の趣味を通じた交流の場として大きな魅力を持つ。しかし、その裏で、悪質な「闇バイト」勧誘が暗躍している実態がある。本記事では、大学公認サークルを隠れ蓑にした巧妙な手口の実態と、学生への影響について詳しく解説する。
闇バイトの温床:「闇サークル」の実態
近年、大学生をターゲットにした「闇バイト」勧誘が増加の一途を辿っている。特に問題となっているのが、「闇サークル」と呼ばれる違法スカウトグループの存在だ。彼らは、大学公認サークルを装い、新入生歓迎コンパなどを開催して学生を勧誘する。一見普通のサークル活動に見せかけて、違法行為へと引きずり込む巧妙な手口が特徴だ。
新歓コンパの様子
これらの闇サークルは、MARCHや日東駒専といった有名大学にも浸透しており、多くの学生が被害に遭っている。若者の犯罪事情に詳しいライターの佐々木チワワ氏によると、「サークルの新歓コンパと偽って勧誘し、実際は違法スカウトグループだったというケースが頻発している」という。
勧誘の手口:豪華なコンパと甘い言葉
闇サークルは、学生を勧誘するために、豪華なコンパや高額報酬といった魅力的な条件を提示する。都内の有名私大に通うA君(21歳)は、テニスサークルの新歓コンパに参加した際、六本木のクラブを貸し切って開催された豪華なコンパに驚いたという。
その後、サークルの幹部から「スカウトをしている」と明かされ、指示に従って女性を風俗店に紹介すれば月に数十万円の報酬が得られると持ちかけられた。A君は違法行為であることを認識しながらも、金銭的な魅力に負けて参加してしまったという。
貧困学生がターゲットに
A君のように、金銭的な理由で闇バイトに手を染めてしまう学生は少なくない。奨学金を借りて学費を工面している学生にとって、高額報酬は大きな魅力となる。闇サークルは、こうした学生の経済的な弱みに付け込み、違法行為へと誘導する。
犯罪学者の佐藤一郎教授は、「経済的に困窮している学生は、闇バイトの勧誘に特に vulnerability が高い。大学側も、学生への経済支援や闇バイトに関する啓発活動の強化が必要だ」と指摘する。
被害の実態:搾取される学生たち
闇サークルに勧誘された学生は、風俗店へのスカウトだけでなく、違法薬物の売買や特殊詐欺といったより深刻な犯罪に巻き込まれるケースもある。一度闇バイトの世界に足を踏み入れてしまうと、抜け出すことは容易ではなく、深刻な consequences を招く可能性がある。
SNSを利用した勧誘
闇サークルは、SNSを利用して女性を勧誘することもある。A君の所属していたサークルでは、コンパに参加した女子大生に話を持ちかけ、風俗店へのスカウトを行っていたという。SNSは、闇バイトの温床となっている側面もある。
まとめ:学生を守るための対策
闇サークルによる闇バイト勧誘は、学生の将来を脅かす深刻な問題だ。大学や警察は、連携して取り締まりを強化するとともに、学生への啓発活動を通じて、闇バイトの危険性を周知徹底させる必要がある。
また、学生自身も、甘い言葉や高額報酬に惑わされず、闇バイトの危険性を認識することが重要だ。怪しい勧誘には決して応じず、困ったときは大学や信頼できる大人に相談することが大切だ。