今年の台風シーズンにおいて、初めて「大型」へと発達した台風9号は、今日26日午後3時にその呼称を得ました。現在、台風は北上を続けていますが、来週28日(月)頃には小笠原諸島付近でその動きが鈍くなる見込みです。この速度の低下は、小笠原諸島における影響が長期化する可能性を示唆しており、関係地域では今後の気象情報への厳重な注意が求められます。
大型台風9号の進路予測図。小笠原諸島方面へ北上し、動きが遅くなる見込みを示す。
台風9号の進路と小笠原諸島への影響
台風9号は26日午後3時に「大型」の台風となり、その大きな規模に加え、動きが遅い点が特徴です。今後、一時的に速度を上げて北上しますが、28日(月)頃には小笠原諸島に接近するタイミングで再び進路速度が低下すると予測されています。台風は北上とともに勢力を増し、暴風域を伴って小笠原諸島に接近する見込みです。
小笠原諸島では、28日(月)頃から少なくとも31日(木)頃まで、台風による直接的な影響が続く恐れがあります。この期間中、強風、高波、そして大雨といった複合的な災害リスクが長期にわたるため、住民や滞在者は早めの対策を講じることが不可欠です。本州付近への直接的な影響は小さいものの、関東の沿岸部では来週、波が高くなる可能性がありますので、こちらも注意が必要です。
小笠原諸島に接近する大型台風9号の予想天気図。暴風域を伴い、長期的な影響が懸念される様子。
沿岸部での高波・高潮対策と安全行動
沿岸部においては、台風の接近に伴い高波や高潮の危険性が高まります。以下の3点に特に留意し、早めの備えと行動を心がけましょう。
まず一つ目は、高波や高潮の恐れがある海岸周辺には、決して近づかないでください。たとえ海や船の状況が心配であっても、見に行く行為は非常に危険であり、絶対に控えるべきです。
二つ目は、大潮の時期や満潮時刻を事前に確認しておくことです。台風による高波や高潮が満潮時刻と重なると、海岸沿いの道路が冠水したり、浸水被害が発生したりするなど、被害が大幅に拡大する恐れがあります。
三つ目は、安全が確保されているうちに早めに避難(移動)することです。高波のしぶきが護岸設備を越えて海沿いの道路に押し寄せると、路面が冠水し、通行が危険になる場合があります。台風がまだ遠くに位置していても、うねりが到達して高波が発生することがあります。海のレジャーが盛んになる時期ですので、目的地となる海岸の状況を事前に確認し、無理のない行動を徹底してください。
海岸に打ち寄せる高波の様子。台風接近時には海に近づかず、高波や高潮に厳重な警戒が必要。
参考文献
日本気象協会 本社 木村 雅洋