老後資金の準備は万全ですか?退職金を元手に資産運用を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、銀行や証券会社のおすすめだからと安易に投資信託に飛びついて、痛い目に遭うケースも少なくありません。この記事では、銀行員の言葉に惑わされ、退職金運用で失敗してしまった山田さんの事例を通して、老後資金を賢く守るための方法をファイナンシャルプランナーの視点から解説します。
銀行員を盲信したばかりに…山田さんの悲劇
定年退職を2ヶ月後に控えた山田幸太郎さん(65歳・仮名)。15年来の付き合いがある銀行員の中村課長(仮名)から、投資信託を勧められました。長年の信頼関係から「銀行員なら安心だろう」と信じてしまった山田さん。しかし、その思い込みが、彼の老後資金を危険にさらすことになります。
alt=銀行員と談笑する男性のイメージ
中村課長は、山田さんの退職金3,000万円のうち2,000万円を、平均利回り11%を謳うアクティブ型投資信託に投資するように勧めました。残りの1,000万円は特別金利の預金に。一見、的確なアドバイスに思えますが、実は落とし穴がありました。
高利回り投資信託の甘い罠
最初の3ヶ月は順調で、評価額は2,100万円まで上昇。山田さんは老後の安心を手に入れたかに思えました。しかし、世界情勢の急変により市場が暴落。評価額はあっという間に1,600万円まで下落してしまいます。慌てた山田さんは中村課長に相談しますが、「長期投資なら下がった時こそチャンス」と追加投資を勧められる始末。山田さんは、ようやく中村課長の言葉に疑問を抱き始めます。本当に自分のためを思ってのアドバイスなのか?それとも銀行の利益を優先しているだけなのか?
ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
この事例から学ぶべき点は、銀行員だからといって盲目的に信用してはいけないということです。投資信託は元本保証がなく、リスクを伴います。ファイナンシャルプランナーの加藤美咲氏(仮名)は、「特に退職金のような大切な資金を運用する際は、複数の専門家に相談し、分散投資を心がけることが重要です。高利回りだけに惑わされず、リスク許容度を踏まえた上で、自分に合った投資商品を選ぶべきです」と指摘しています。
老後資金を守るための3つのポイント
老後資金を守るためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
1. 情報収集を怠らない
投資信託やNISA、iDeCoなど、様々な投資商品があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った商品を選ぶことが重要です。信頼できる情報源から情報を収集し、知識を深めましょう。
2. 分散投資でリスクを抑える
一つの商品に集中投資すると、市場の変動に大きく影響を受けます。複数の商品に分散投資することで、リスクを軽減することができます。
3. 専門家に相談する
ファイナンシャルプランナーなど、お金のプロに相談することで、客観的なアドバイスを受けることができます。自分の状況に合った最適な資産運用プランを一緒に考えてもらいましょう。
老後資金は人生の大切な資金です。安易な投資で失うことのないよう、しっかりと計画を立て、賢く運用していきましょう。この記事が、皆様の老後資金運用の一助になれば幸いです。