中居正広氏騒動でフジテレビCM大量差し替えの真相とは?企業が恐れた“あの発言”

フジテレビをめぐる中居正広氏の一連の騒動。多くの企業がCM差し替えを決断した背景には、一体何があったのでしょうか? 1月の記者会見で港浩一社長が発した“あの発言”が、企業のCM撤退ドミノの引き金になったと指摘する声も。今回は、この騒動の真相に迫り、企業が抱いた懸念を紐解いていきます。

CM差し替えドミノの衝撃

1月17日、中居正広氏と女性間のトラブルにフジテレビ社員が関与した疑惑について、同局が記者会見を開きました。その翌日、トヨタ自動車や日本生命など大手企業が次々とCMのACジャパンへの差し替えを発表。NTT東日本、第一生命、明治安田生命保険、アフラック生命保険、花王、日産自動車なども追随する事態となりました。

フジテレビ本社ビルフジテレビ本社ビル

20年来、広告業界に身を置く筆者も、これほどのCM差し替え劇は前代未聞です。東日本大震災や安倍晋三元首相銃撃事件のような未曾有の事態でACジャパンのCMが流れることはありましたが、今回の騒動はそれらに匹敵する規模となっています。もちろん、理由は全く異なりますが。

企業の不祥事や番組出演タレントの不祥事でCMが差し替えられることはあります。記憶に新しいのは、松本人志氏の性加害疑惑報道を受け、出演番組のCMが一部ACジャパンに差し替えられたケースです。

フジテレビCM差し替えの異例性

テレビ局側の問題でCM差し替えが行われるケースも過去にありました。2011年、東海テレビ(フジ系)の「ぴーかんテレビ」で「怪しいお米 セシウムさん」という不適切なテロップが表示された事件です。この時は番組のCMが全てACジャパンに差し替えられ、最終的に番組は打ち切りとなりました。

今回のフジテレビのケースも局側の問題が原因という点で、「ぴーかんテレビ」事件と似ています。しかし、過去の事例では番組単位での差し替えが主流でした。局側の問題で、特定の番組に限らず広範囲にCMが差し替えられるのは、筆者の知る限り今回が初めてです。

つまり、今回のフジテレビのCM差し替えは前例のない、まさに「前代未聞」の事態と言えるでしょう。

企業が恐れた港社長の“あの発言”とは?

では、なぜ今回のような大規模なCM差し替え劇が起きたのでしょうか? 桜美林大学准教授の西山守氏は、記者会見での港浩一社長の“あの発言”が問題だったと指摘します。「あの発言によって、企業が事態を重く見た可能性が高い」と西山氏。企業は、この騒動が単なる個人の問題ではなく、組織的な問題に発展する可能性を懸念したのではないでしょうか。

フジテレビのロゴフジテレビのロゴ

企業にとって、ブランドイメージは非常に重要です。不祥事に関与している、あるいは関与している可能性のある企業と関係を持つことは、自社のブランドイメージを毀損するリスクがあります。特に、今回の騒動は社会的な関心の高い事案であり、企業はより慎重な対応を迫られたと言えるでしょう。

今後のフジテレビの対応に注目

今回のCM差し替え騒動は、フジテレビにとって大きな痛手となることは間違いありません。今後、同局がどのように事態を収拾し、信頼回復を図っていくのか、注目が集まっています。 企業の信頼を取り戻すためには、透明性のある情報公開と迅速な対応が不可欠です。また、再発防止策を徹底し、企業が安心してCMを出稿できる環境を整備していく必要があるでしょう。