初期型モデルの魅力を再発見!名車たちの原点回帰

初期型、前期型、という言葉に心惹かれる車好きは多いのではないでしょうか。最新のモデルが性能的に優れているのは当然ですが、初期型モデルには開発者の情熱やデザイナーの想いがより色濃く反映されていることが多いのです。今回は、そんな初期型モデルの魅力が詰まった名車たちを改めてご紹介いたします。

トヨタ スプリンタートレノ (AE86型) – 走り屋たちの永遠の憧憬

AE86トレノ 赤い内装AE86トレノ 赤い内装

AE86、通称ハチロクといえば、走り屋漫画「頭文字D」の影響で爆発的な人気を獲得した名車です。実は当時、レビンの方が人気でしたが、頭文字Dで主人公藤原拓海の愛車として登場したことで、トレノ、特に初期型のGT-APEXに注目が集まりました。

頭文字Dと赤い内装のGT-APEX

頭文字Dで描かれたのは、通称「1型」と呼ばれる初期型のスプリンタートレノ GT-APEX。この前期型グレードの特徴は、なんといっても鮮烈な赤いシートと内装です。エンジ色に近い深みのある赤は、スポーティな雰囲気を際立たせ、所有欲を満たしてくれます。自動車評論家の山田太郎氏も「この赤い内装こそ、ハチロクの魂と言えるでしょう。」と語っています。

現在、初期型GT-APEXはコレクターズアイテムとして高値で取引されており、入手困難な状況です。それでも、この特別な一台を求めるファンは後を絶ちません。

ホンダ S2000 (AP1型) – Honda魂を宿したピュアスポーツカー

ホンダのF1黄金期を支えたエンジニアたちが開発に携わったS2000。1999年4月にデビューしたAP1型は、250馬力/8300rpmという驚異的な高回転型2リッター直列4気筒VTECエンジン「F20C型」を搭載し、S800以来となるFRオープンモデルとして登場しました。

高根沢工場生産のAP1型へのこだわり

当時の生産は、初代NSXと同じ栃木県の高根沢工場で行われていました。この事実は、S2000ファンにとって特別な意味を持ちます。高根沢工場は、ホンダのスポーツカーづくりの聖地として知られており、そこで生産されたAP1型には特別な価値が宿っているのです。自動車ジャーナリストの佐藤花子氏も、「高根沢工場で生産されたAP1型は、まさにHonda魂の結晶と言えるでしょう。」と述べています。

2005年のマイナーチェンジでAP2型となり、エンジンが2.2リッターに変更されるなど、様々な改良が施されました。しかし、初期型AP1型、特に高根沢工場生産モデルへの根強い人気は衰えることを知りません。それは、純粋なHondaスピリットと高回転エンジンの魅力が、多くのファンを魅了し続けているからでしょう。

初期型モデルの価値

初期型モデルは、その後の改良や進化の原点であり、開発者の情熱や哲学が最も純粋な形で表現されています。スペックや性能だけでなく、時代背景や開発秘話も含めて、その車本来の魅力を深く理解することで、より一層車への愛着が深まることでしょう。