タイでは2025年1月23日、同性婚を認める法律が施行されました。この歴史的な一歩は、多くの同性カップルに喜びと希望をもたらすと同時に、家族の形についても新たな議論を巻き起こしています。本記事では、同性婚法施行と並行して進められている代理出産法改正の動きについて詳しく解説します。
タイにおける代理出産の現状
タイではこれまで、法律婚をした男女のカップルで、少なくとも一方がタイ人である場合に限り、代理出産が認められていました。代理母はカップルの親族であることが条件とされ、厳格な制限が設けられていました。
同性婚法施行に伴う代理出産法改正の動き
同性婚法の施行を受け、タイ保健省は代理出産に関する法律の改正に着手しました。改正案では、「夫」「妻」といった表現を「配偶者」に置き換えることで、同性カップルにも代理出産の道を開くことが検討されています。この改正案は今後、議会に提出される予定です。
外国人カップルへの代理出産解禁も視野に
2014年に代理出産をめぐる問題が発覚し、外国人カップルによる代理出産は禁止されていました。しかし、この禁止措置は違法な代理出産ビジネスの横行を招いたという指摘も出ています。そこで、今回の改正案には外国人カップルへの代理出産解禁も盛り込まれており、代理出産プロセスの透明化と違法ビジネスの撲滅を目指すとしています。保健省のパヌワット局長は、この改正により、より安全で倫理的な代理出産の実現が期待できると述べています。
alt タイのバンコクで、同性婚の法施行を記念して写真撮影をするカップル
専門家の意見
家族法に詳しいバンコク大学のソムチャイ教授(仮名)は、「今回の法改正は、多様な家族の形を認める上で大きな意義を持つ」と評価しています。一方で、「代理出産には倫理的な課題も残されているため、慎重な議論が必要だ」とも指摘しています。代理出産に伴う費用負担や、代理母の権利保護など、解決すべき課題は少なくありません。
まとめ
同性婚法施行と代理出産法改正は、タイ社会における家族の多様性を大きく前進させる可能性を秘めています。今後の法改正の行方、そしてそれが社会にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。