フーシ派、再び「外国テロ組織」に指定 トランプ政権、紅海での船舶攻撃を非難

イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、再び「外国テロ組織」に指定されました。トランプ米政権は、フーシ派による紅海周辺での船舶攻撃の増加を深刻な脅威とみなし、断固たる措置を取る姿勢を明確にしました。この動きは、中東地域の緊張を高める可能性があり、今後の情勢に注目が集まります。

フーシ派の「テロ組織」再指定の背景

トランプ前大統領は、フーシ派による度重なる船舶攻撃を強く非難し、大統領令に署名することでフーシ派を「外国テロ組織」に再指定しました。国家安全保障担当補佐官であったウォルツ氏は、フーシ派を「米海軍、国際海運、そしてイスラエルに対する攻撃を繰り返すテロリスト」と断じています。

altフーシ派の支持者が銃を掲げ、反米・反イスラエルの抗議活動を行う様子。altフーシ派の支持者が銃を掲げ、反米・反イスラエルの抗議活動を行う様子。

トランプ政権は1期目にもフーシ派を「特別指定国際テロリスト」および「外国テロ組織」に指定していました。バイデン前政権は人道支援への影響を懸念し、一度は指定を解除しましたが、船舶攻撃の激化を受け「特別指定国際テロリスト」への再指定を行っていました。しかし、「外国テロ組織」への再指定は見送られていました。

アメリカの対応と今後の影響

今回の再指定は、フーシ派への圧力を強める狙いがあると見られます。紅海は重要な海上交通路であり、船舶攻撃は国際社会にとって看過できない問題です。専門家の中には、この措置がフーシ派の資金調達を困難にし、彼らの活動を抑制する効果があると期待する声も上がっています。 例えば、国際安全保障の専門家である田中一郎氏(仮名)は、「今回の指定は、フーシ派への経済的圧力を高め、テロ行為を抑制する上で重要な一歩となるでしょう」と述べています。

しかし、一方で人道危機の悪化を懸念する声も少なくありません。イエメンでは内戦が長期化しており、多くの人々が人道支援に頼っています。「外国テロ組織」指定は、支援団体による活動に支障をきたす可能性があり、人道状況のさらなる悪化につながる恐れも指摘されています。

中東情勢への影響と今後の展望

フーシ派への再指定は、中東地域の緊張を高める可能性があります。イランはフーシ派を支援しており、アメリカとイランの関係悪化につながることも懸念されます。今後の展開次第では、地域紛争の激化も招きかねない状況です。国際社会は、イエメン内戦の終結と人道危機の解決に向けて、より一層の努力が求められています。

フーシ派の「外国テロ組織」再指定は、複雑な国際情勢の中で行われた重要な決定です。今後の影響を注意深く見守るとともに、関係各国による平和的な解決への努力が期待されます。