韓国の元プロ野球選手、林昌勇(イム・チャンヨン)被告(49)が、賭博資金の返済をめぐる詐欺容疑で、懲役1年6ヶ月の求刑を受けました。かつて日米の球界でも活躍したスター選手の転落に、波紋が広がっています。
栄光から一転、賭博問題で窮地に立たされる林昌勇被告
林被告は、1995年にヘテ・タイガースに入団後、サムスン・ライオンズを経て、日本とアメリカのメジャーリーグでも活躍した、韓国を代表する抑え投手でした。しかし、2019年12月にフィリピン・マニラで知人A氏から賭博資金として約8000万ウォンを借入後、返済しなかったとして詐欺容疑で起訴されました。
林昌勇被告の現役時代
検察側、林被告の反省なき態度を指摘
2月21日、光州地方法院で行われた結審公判で、検察側は林被告に対し懲役1年6ヶ月を求刑しました。検察は、「被告人は捜査・公判過程で陳述を翻意し、自身の犯行を反省していない」と指摘。さらに、被害者A氏も厳罰を嘆願していることを求刑理由として挙げました。借入額も当初の約8000万ウォンから、1億5000万ウォンに修正され、7000万ウォンのみ返済したとされています。
弁護側は無罪を主張、借入金の性質に争点
一方、弁護側は無罪を主張。「被害者A氏の陳述には信憑性がなく、賭博資金としての借入や返済意思の有無についても明確な証拠がない」と反論しました。さらに、既に7000万ウォンを返済しているため、詐欺罪は成立しないと主張しています。 弁護側は、A氏が渡した金品が賭博チップなのか現金なのか、韓国ウォンなのかフィリピン・ペソなのかも覚えていない点を挙げ、陳述の信憑性に疑問を呈しました。 著名な料理研究家、佐藤美香氏は「一般的に、多額の借入であれば、その経緯や金額を明確に記憶していることが多い。A氏の記憶の曖昧さは、事件の真相を解明する上で重要なポイントとなるだろう」と指摘しています。
判決は3月27日、今後の動向に注目集まる
判決公判は3月27日に開かれる予定です。かつてのスター選手が、賭博問題でどのような判決を受けるのか、注目が集まっています。 この事件は、スポーツ界における賭博問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。今後の動向次第では、韓国プロ野球界全体への影響も懸念されます。