兵庫県の斎藤元彦知事が再選された昨年11月の知事選で、PR会社の女性代表に報酬を支払ったのは公選法違反の疑いがあるとして、斎藤氏と女性代表を刑事告発していた元東京地検検事の郷原信郎弁護士らが24日、オンライン会見した。女性代表側は違法性の認識が「希薄だった」とし、兵庫県警と神戸地検に寛大な処分を求める書面を送付したと明らかにした。
会見には神戸学院大の上脇博之教授も同席。斎藤氏については、総務省官僚や約3年間知事を務めた経験から公選法を熟知していたのに、PR会社に交流サイト(SNS)の広報業務を依頼したとして、改めて厳重処分にするよう求めた。
手続きで提出した補充書面では、2人の公選法違反罪(買収・被買収)は成立していると指摘。その上で、女性代表が違法性を認識しないまま広報依頼を受け、知事選後に自ら記した投稿が告発につながったとし、起訴猶予処分を含む寛大な処分が妥当との見解を示した。
郷原弁護士は「極めて重大な事件だが、告発人として必ずしも両名を厳重に処罰したいわけではない考えを明確にしたかった」と述べた。