2次被害を生み出す地獄絵図…「日枝氏が君臨するフジテレビは生き残れない」2度目の会見で露呈した末期症状


【写真】記者会見に集まった報道陣。キレる記者、怒鳴る記者も…

■10時間半続いた会見、日枝氏は出席せず

 1月27日午後4時から、フジテレビによる「やり直し会見」がおこなわれた。前回17日の緊急社長記者会見の際には、参加メディアを「制限」し、動画撮影も「禁止」としたが、今回は参加メディア「制限なし」、動画撮影も「可能」とした。

 しかし、会見は10時間半に及び、怒声が飛び交う混乱を極めた。それは誰もが怒りたくなるほどの、「開く価値のない会見」だったからだ。

 フジの労組からはすべての取締役の出席が求められたが、結局、出席したのは、フジテレビの嘉納修治会長、遠藤龍之介副会長、港浩一社長、親会社のフジ・メディアHDの金光修社長の4人だった。求められた取締役相談役、日枝久氏の出席は実現しなかった。

 前回のプレジデントオンラインで、私はいかにフジのガバナンスが劣っているかと指摘し、日枝体制の根深さに焦点を当てた。そしてこの「日枝体制」との決別しか、フジの生き残りの道はないと述べた。であるから、今回の記者会見のポイントは「日枝体制」がどうなるのかという一点に尽きると私は考えていた。

 記者会見に先立って同日におこなわれた取締役会で、嘉納修治会長と港社長の辞任が決定した。そして新社長は、清水賢治氏が就任する。清水氏は現在、フジ・メディアHDの専務取締役を務めている。

 1983年にフジテレビに入社し、多くの名作アニメをプロデュースしてきた。「Dr.スランプ アラレちゃん」「ドラゴンボール」「ちびまる子ちゃん」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」「幽☆遊☆白書」など多数の大ヒットアニメをプロデュースした。

■アニメ畑を歩んできた新社長

 私はこの人事を聞いて「甘い」と思った。

 フジの現社員やOBに取材をおこなったところ、「清水さんはもともと次期社長の最有力候補とみられてきた。それが早まっただけ」「社長候補になっている段階で、すでに日枝氏の息がかかった人物」「日枝チルドレンの中では、まだまし」という証言が得られた。

 日枝氏の取締役相談役の辞任はなかった。したがって、私が期待した「日枝体制」からの決別はかなえられなかったと判断せざるを得ない。一番の違和感は、経営陣から“わざと”ではないかと思ってしまうほど「日枝氏」の名前が出なかったことだ。



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