大韓航空とアシアナ航空の統合:マイレージはどうなる? 統合後の課題と利用者の不安

大韓航空によるアシアナ航空の子会社化完了に伴い、両社のマイレージプログラム統合に注目が集まっています。2026年10月の統合航空会社発足に向けて、利用者の関心事であるマイレージの価値、交換比率、上級会員資格はどうなるのでしょうか? 本記事では、統合における課題と利用者の声、そして今後の展望について詳しく解説します。

マイレージ統合の現状と課題

大韓航空は2025年上半期までに統合案を公正取引委員会に提出予定で、現在コンサルティングを実施中です。統合までは、大韓航空は「スカイパス」、アシアナ航空は「アシアナクラブ」を継続利用できます。

マイレージ価値の差異

しかし、両社のマイレージ価値には差があります。大韓航空は約15ウォン/マイルに対し、アシアナ航空は約11〜12ウォン/マイルと評価されており、1対1の交換は難しいとされています。

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提携マイレージの複雑さ

さらに、搭乗マイレージと提携マイレージ(クレジットカード利用等)の価値のばらつきも調整を難航させています。航空業界アナリストの山田一郎氏は「提携マイレージは関係者も多く、調整は容易ではありません。韓国ではマイレージ取引の仕組みが未整備で、利用範囲も限定的です」と指摘しています。

上級会員資格への影響

上級会員資格の基準も異なります。大韓航空の「モーニングカーム」は5万マイル、アシアナ航空の「ゴールド」は2万マイルです。統合により、既存の上級会員資格を維持できない可能性も懸念されています。

未使用マイレージの消化と利用者の不満

大韓航空とアシアナ航空は、2024年9月末時点でそれぞれ約2兆5542億ウォン、約9819億ウォンの未使用マイレージを抱えています。この繰延収益を減らすため、国内線特別便の運航やマイレージ利用促進策を実施していますが、利用者からは不満の声が上がっています。

国内線特別便の不足と長距離路線の制限

国内線特別便だけではマイレージを消化しきれず、特にアシアナ航空の長距離国際線でのマイレージ利用が制限されているという批判が多いです。

マイレージ航空券の入手困難

マイレージ航空券や商品交換の人気商品はすぐに売り切れ、利用範囲の狭さが課題となっています。旅行ブロガーの佐藤花子さんは「せっかく貯めたマイレージを使いたいのに、希望の便や商品がいつも予約でいっぱい。もっと選択肢を増やしてほしい」と訴えています。

今後の展望

大韓航空は、アシアナ航空の未使用マイレージを最大限消化する方向で調整を進めています。統合後のマイレージプログラムの詳細はまだ発表されていませんが、利用者の不安を解消し、より利便性の高い制度となるよう期待が高まります。マイレージ統合は、統合航空会社の成功を左右する重要な要素となるでしょう。