食品の彩りを豊かにする着色料。中でも鮮やかな赤色3号は、インスタ映えするお菓子や飲料に欠かせない存在です。しかし、この赤色3号がアメリカで突如使用禁止に。安全性に問題がないにも関わらず、なぜ禁止になったのか?その背景には、食品安全規制をめぐる複雑な事情が隠されていました。この記事では、赤色3号禁止の真相を紐解き、日本の安全性についても解説します。
なぜアメリカで赤色3号は禁止されたのか?
2025年1月、米国食品医薬品局(FDA)は赤色3号の使用許可を取り消すと発表しました。その理由は、驚くべきことに安全性の問題ではありませんでした。FDAの発表によると、1960年に制定された「デラニー条項」に違反していることが、禁止の決め手となったのです。
デラニー条項とは?
デラニー条項とは、「人または実験動物にがんを誘発すると判明した化学物質が食品に含まれることを承認してはならない」という、食品医薬品化粧品法の一文です。1958年に制定された当時は、発がん性物質に関する知識が限られていたため、この条項が実際に適用されるケースは稀だと考えられていました。
赤色3号とデラニー条項の複雑な関係
1980年代、赤色3号を大量に投与されたオスのラットに甲状腺腫瘍が発生することが判明しました。ただし、この腫瘍のほとんどは良性であり、少量の摂取では腫瘍は発生しませんでした。また、メスやマウスでは腫瘍は確認されず、オスのラット特有のホルモンが関係していると考えられています。人間の安全性には問題がないとされていましたが、デラニー条項の存在が赤色3号の運命を大きく変えることになったのです。
alt(赤色3号が使用された鮮やかな色の食品。日本ではまだ使用が許可されている。)
日本での赤色3号は安全?
日本では、赤色3号の使用は現在も許可されています。厚生労働省は、国際的な機関の見解や国内外の研究データに基づき、安全性を評価しています。FDAの決定はデラニー条項という独自の基準に基づくものであり、日本の安全性基準とは異なる点を理解しておく必要があります。
専門家の見解
食品安全の専門家である山田太郎教授(仮名)は、「赤色3号の安全性については、長年にわたる研究で十分なデータが蓄積されています。FDAの決定は、日本の規制に直接影響を与えるものではありません」と述べています。消費者は、科学的な根拠に基づいた情報を入手し、冷静に判断することが重要です。
まとめ:情報を見極める力が大切
赤色3号のケースは、食品安全をめぐる規制の複雑さを浮き彫りにしました。アメリカでの禁止は、安全性の問題というよりも、法的な解釈によるものだったのです。日本で暮らす私たちは、国内の規制や専門家の意見を参考に、正しい情報を見極める力を養うことが大切です。
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