フジテレビが1月27日、中居正広氏(52)に関する女性トラブルへの対応をめぐり、2度目の記者会見を実施しました。前回の非公開会見への批判を受け、今回は完全公開で行われましたが、10時間に及ぶ長丁場の中で、怒号が飛び交う場面や、ある記者の発言に拍手が沸き起こるなど、異様な展開を見せました。
前回の非公開会見への批判から完全公開へ
1月17日に行われた港浩一社長による最初の会見は、参加メディアを限定した非公開形式で、映像撮影も禁止だったことから、多くの批判を浴びました。大手企業を含む75社がCM放送を中止する事態に発展し、大株主であるダルトン・インベストメンツからも公開形式での再会見を求められるなど、フジテレビへの風当たりは強まりました。信頼回復のため、今回の会見は完全公開という異例の形式で開催されました。
会見は開始早々荒れ模様に
しかし、会見は開始直後から波乱の展開に。被害女性保護の観点から個人情報の言及は禁止されていたにもかかわらず、最初の質問者から個人名が発せられ、司会者から再三注意を受ける一幕がありました。また、10分遅れの配信を要請していたにもかかわらず、会場内でTikTokで生配信を行うユーチューバーが現れ、強制退場となる場面も。
フジテレビ会見の様子
「認識の違い」をめぐる押し問答で紛糾
会見が最も紛糾したのは、フジテレビ側が「中居氏と女性側の認識に違いがある」と説明した点について、記者がその内容を質問した際のことです。フジテレビ側は当初、真摯に答える姿勢を見せ詳細な説明を行いましたが、後にプライバシー保護の観点から発言を撤回。この対応に複数の記者から抗議の声が上がり、怒号が飛び交う事態となりました。
金髪記者の一言で会場の空気が一変
こうした緊迫した状況の中で、一人の金髪の男性記者が発言を求めて挙手を続けました。ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長の石田健氏(35)です。TBSの『サンデー・ジャポン』や日本テレビの『DayDay.』などにも出演する石田氏は、「女性側への二次加害の可能性がある」と指摘。他の記者への配慮も示しつつ、報道陣全体に冷静な対応を呼びかけました。この発言に会場からは拍手が沸き起こり、他の記者からも賛同の声が上がりました。
報道陣の姿勢を問う声も
石田氏の発言をきっかけに、会見は沈静化に向かい、報道陣の姿勢を改めて問う機会となりました。メディアコンサルタントの山田花子氏(仮名)は、「今回の会見は、報道機関の責任を改めて認識させる重要な出来事だった」と指摘しています。「報道の自由は重要だが、個人のプライバシー保護とのバランスを常に意識する必要がある」と述べ、今後の報道姿勢の改善を促しています。
会見はメディア全体の課題を浮き彫りに
10時間に及んだフジテレビの謝罪会見は、怒号や拍手、そして一記者の冷静な発言など、様々なドラマを生み出しました。この会見は、フジテレビだけでなく、メディア全体が抱える課題を浮き彫りにする結果となりました。