高齢化が進む日本では、認知症の前段階である「軽度認知障害（MCI）」が増加しています。MCIは放置すると認知症へと進行するリスクがありますが、早期発見と適切な対策によって進行を遅らせる、あるいは防ぐことも可能です。この記事では、MCIの兆候をいち早く見つけるためのチェックリストと、日常生活でできる予防策をご紹介します。
軽度認知障害（MCI）とは？
MCIとは、Mild Cognitive Impairmentの略で、加齢による物忘れよりも深刻な記憶障害が見られるものの、日常生活に大きな支障がない状態を指します。MCIは必ずしも認知症に進行するわけではありませんが、早期発見と適切な対策が重要です。「最近、物忘れが増えた気がする」「以前より仕事の効率が悪くなった」と感じたら、MCIの可能性を疑ってみましょう。
MCIの早期発見チェックリスト８項目
早期発見の鍵は、日常生活における些細な変化に気づくことです。以下のチェックリストで、ご自身やご家族の状態を確認してみてください。
- 物事を覚えるのが難しくなった
- 約束や予定を忘れがちになった
- 以前は簡単にできたことが、今は難しく感じる
- 判断力が鈍くなった
- 時間や場所の見当がつきにくくなった
- 会話の内容が理解しにくくなった
- 人の気持ちが理解しにくくなった
- 意欲や関心が低下した
これらの項目に複数当てはまる場合は、医療機関への受診をおすすめします。
alt="高齢者と医師が話している様子"
認知症の種類と特徴
認知症には様々な種類があり、それぞれ異なる特徴があります。代表的なものとしては、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症などが挙げられます。 例えば、アルツハイマー型認知症は記憶障害が初期症状として現れることが多い一方、レビー小体型認知症では幻視やパーキンソン症状が見られることもあります。 専門医による正確な診断が重要です。
認知症予防のための生活習慣
MCIや認知症の予防には、バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠が重要です。特に、地中海式ダイエットは認知機能の低下リスクを減らす効果が期待できると言われています。 また、社会活動への参加や趣味を楽しむことも、認知機能の維持に繋がります。
食生活の改善
魚介類、野菜、果物、オリーブオイルなどを中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。栄養士の佐藤美穂さん（仮名）は、「食生活の改善は認知症予防の第一歩です。特に、抗酸化作用の高い食材を積極的に摂ることをおすすめします」と述べています。
適度な運動
ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。運動は脳への血流を促進し、認知機能の向上に繋がります。
質の高い睡眠
睡眠不足は認知機能の低下に繋がるため、規則正しい生活リズムを維持し、質の高い睡眠を確保することが大切です。
MCIと認知症の違い
MCIは認知症の前段階と言える状態ですが、必ずしも認知症に進行するわけではありません。 MCIと診断された場合でも、適切な対策を行うことで進行を遅らせたり、健康な状態を維持できる可能性があります。 重要なのは、早期発見と早期対応です。
まとめ
MCIや認知症は早期発見と適切な対策が重要です。日常生活における些細な変化を見逃さず、必要に応じて医療機関を受診しましょう。バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠を心がけ、認知症予防に取り組みましょう。
