元タレントの中居正広さんと女性をめぐるトラブルについて、フジテレビが1月27日に開いた記者会見では、経営陣の辞任などが発表された。しかし、フジテレビの黄金時代を築き、フジサンケイグループの頂点に君臨すし、“天皇”と呼ばれる日枝久氏責任や進退については濁した形となった。グループの中核となる企業が窮地に陥っている状況にあっても、表向きに何かを表明することなどはない。約10時間に及んだ会見は、渦中のフジテレビ社員の目にはどう映ったのだろうか。
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この日の会見には、フジ・メディア・ホールディングス（HD）/フジテレビの嘉納修治会長、フジテレビの港浩一社長、遠藤龍之介副会長、フジHDの金光修社長、フジHDの清水賢治専務が出席。港社長、遠藤副会長の辞任と清水専務のフジテレビ社長就任（28日付）が伝えられた。
■何が言いたいのか伝わらなかった
会見は当初から記者の怒号が飛ぶ荒れた様相となった。中居さんの問題、第三者委員会の設置についてなど質問は多岐にわたったが、フジテレビの報道部門に所属する中堅社員は、
「今後のフジテレビがどうなっていくのかは、結局わからなかった」
と語った。会見中、社内では社員ら関係者は会見を見ながら仕事をしていたという。
「事案の核心を突く質問に対しては、プライバシーを理由に答えていませんでした。もちろん、二次被害を防ぐ目的で話せないというのは理解できる。でも、納得のいく説明ではないと思いました。17日の会見も今回も、結局、何が言いたいのかが伝わらなかったというのが現場の本音です」
27日の会見で港社長は、中居さんをめぐる一連のトラブルについて、2023年8月の時点で知っていながら、「女性の心身を優先した」などとして社内のコンプライアンス推進室に報告せずに対応していたと話した。
港社長は、「この事案においては、ガバナンスが機能していなかった。反省するべき点だ」と話した。
